わさびに記憶力向上の効果が? 研究で明らかに
※この記事は、海外のサイト『Prevention』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
アルツハイマー病や認知症のリスク低下に役立つ脳の健康にいい食品はたくさんあるけれど、この辛い調味料もリストに加える価値があるという。研究によると、わさびに記憶力を高める力があるのだそう。 科学誌『ニュートリエンツ』に掲載された研究では、記憶などの認知機能にわさびが及ぼすプラスの影響を調査。この研究には、60~80歳の健康な被験者72人が参加し、そのうちの半数は就寝時にわさびエキス100mgを摂取、残りの被験者にはプラセボが投与された。 この療法を三ヶ月間続けたのち、わさびエキスを摂取したグループは、言語スキル、集中力、簡単なタスクの実行能力に関する標準化された評価に基づいて、作業(短期)記憶と長時間持続するエピソード記憶という認知における二つの側面が “大幅に” 向上したことが明らかになった。いっぽう、抑制制御(集中力を維持する能力)、実行機能(自制心と理性)、処理速度など、そのほかの認知領域においては、わさび摂取グループに改善が発見されなかったという。
しかし、研究者らはわさび摂取グループの長期記憶スコアが18%上昇し、プラセボグループ全体と比較しても平均14%高かったことを発見している。プラセボグループと比較して、わさびを摂取した参加者は「口頭エピソード記憶の能力が向上しただけでなく、高齢者の記憶に関する主要な問題である、顔と名前の関連付けの能力も向上した」と研究者らは指摘している。 わさびは抗酸化作用と抗炎症作用をもつ生理活性化合物を含んでいます、と話すのは「アカデミー・オブ・ニュートリション・アンド・ダイエティクス」の広報担当者で、メディア『プリベンション』の医療審査委員を務めるメリッサ・プレストさん。「わさびが記憶力を向上させる理論的な理由は、抗酸化物質と抗炎症物質の組み合わせが脳へのダメージと炎症の両方を軽減するためです。これにより脳が保護され、神経信号伝達を改善し、記憶力の向上につながります」と彼女は説明する。