滑走路の誤進入防止、米では自動音声で着陸やり直し指示 羽田事故受け管制手順ルール化へ
国土交通省は航空機の滑走路誤進入を防ぐ監視システムの運用を強化し、管制手順のルールを見直す。昨年の羽田航空機衝突事故のような切迫した状況下では、システムの異常検知を管制官の目視より優先させる。海外では自動音声でパイロットに着陸やり直しを指示する運用実績もあり、日本も対策を急ぐ。 【写真】「飛行機が燃えちゃった」日航機の乗客が家族に送った客席からの写真 米国ではシステムが誤進入を探知した際、管制官の卓上モニターが赤色点滅表示に切り替わり、航空機の着陸やり直しを求める「ゴーアラウンド」の自動音声が流れ、管制官は直ちにパイロットに指示する。 英国やフランスでもボイスメッセージが流れるが、管制規則は「状況確認の上、必要に応じて指示」とし、米国のようなシステム優先ではなく、緊急時の対応はあくまで管制官の判断に委ねる。 韓国などでは注意喚起と警報の2段階でシステムが発動。日本でも来年度中に2段階運用を始める計画だが、国交省担当者は「システムがどのタイミングで誤進入と判断するか。検知条件の設定や調整が極めて重要になる」と話す。(白岩賢太)