【密着】アルゼンチン バンドネオンへのあふれる情熱を断ち切れず、本場に飛び込み奏者として生きる娘へ届ける両親の想い
一方で、なつきさんは2018年に女性3人組のタンゴバンド「Yazmina Raies Trio」を結成。定期的にライブを開催している。以前は男性社会で、2019年頃までは女性奏者は男装をして演奏していたというアルゼンチンタンゴの世界。その後は徐々に女性も進出しているが、女性だから注目されるのではなく、実力で1人のバンドネオン奏者として音楽活動を続けていきたいというなつきさん。自分たちならではの表現方法や新しいタンゴを披露できる場として、バンドの活動も大事にしている。 さらに近々、自費でソロアルバムをリリースする予定も。劇場はダンサーが主役で、元々ある有名曲を再現する場。日々工夫を重ね演奏に楽しみを見つけながらも、そこには葛藤もあった。だからこそ自身で作曲やレコーディングを始めたといい、「そういう自分のビジョンがあるから、普段の仕事も続けていける」と語る。 バンドネオン奏者として生きる娘の姿に、母・紀子さんも「がんばっているなと…」、父・明さんも「かっこいいですね」と笑みがこぼれる。大学まで13年間続け、練習を欠かさなかったというトランペットの次にバンドネオンの世界へ飛び込んだことについても、明さんは「次に自分が目指すところを見つけたっていうのがすごいなと思います」と感心する。
本場アルゼンチンで奮闘する娘へ、父からの届け物は―
バンドネオンの音色に魅せられ、アルゼンチンへ渡り10年。本場で奮闘する娘へ、父からの届け物は革のトートバッグ。定年後、趣味でレザークラフトを始めた父が娘のために手作りしたもので、バンドネオンの形をした小さな飾りもついていた。「地球の裏側から応援しています!」という父の心情が綴られた手紙を読み、泣き笑いしながら「頑張ります」となつきさん。楽譜がぴったりと入るサイズ、口が閉じられるファスナー、汚れが目立たない色と、バッグのすみずみから感じる両親の想いに大きな笑顔を見せるのだった。 (読売テレビ「グッと!地球便」2024年8月11日放送)
読売テレビ「グッと!地球便」