「妻に内緒で離婚届提出」「不倫相手と即再婚」の不貞行為がバレた茨城県立高校副校長、法廷で絞り出した懺悔の言葉
自身が罪を犯していることを認識しながら、あえて教職を選んだ理由はわかりませんが、彼はなぜ今回の犯罪に手を染めることになったのか。この日、法廷で明らかにされた経緯を振り返ってみたいと思います。 ■ 離婚成立の4日後に不倫相手と再婚 遊佐被告が当時の妻・A子さん(50代)に離婚を切り出したのは、2022年1月3日のことでした。この日まで、夫婦間で全くそのような話をしたことがなかったため、驚いたA子さんはその申し出を拒否。しかし、被告は1月7日、全く話し合いを持たぬまま離婚届にA子さんの署名をし、無断で区役所に提出します。 A子さんがこの事実を知ったのは、区役所から送られてきた「離婚届受理の通知」という書面を見たときでした。A子さんはすぐに弁護士に相談し、東京家庭裁判所に離婚の無効を申し立てます。 それを受けた家庭裁判所は、2022年3月、『申立人と相手方との協議上の離婚は、当事者の離婚意思を欠き、無効であることが明らかであるといえる』と審判。その結果、離婚は取り消されました。 そして、4月28日、A子さんと遊佐被告は改めて正式に離婚の手続きをします。遊佐被告が別の女性(B子さん・30代)と再婚したのは、それからわずか4日後、5月2日のことでした。
実は、遊佐被告は少なくともその前年からB子さんと不倫関係にあり、すでに子どもまでつくっていました。検察官によると、離婚成立後にその事実を初めて知ったA子さんは、大変大きなショックを受けたと言います。 不貞を行い、25年間連れ添った妻を裏切った遊佐被告は「有責配偶者」、つまり離婚原因を作った責任のある配偶者とみなされます。日本では基本的に「有責配偶者からの離婚請求は認めない」とされ、高いハードルが設けられているのですが、彼はそのことを隠して離婚を成立させ、不倫相手とスピード再婚したのです。 ■ 「深く考えていなかった…」 A子さんはその後、警察に相談し、告発状を提出。元夫の行為は「有印私文書偽造・同行使」などに当たるとみた警察は、1年以上にわたって捜査を重ね、今回の逮捕に至りました。もし、A子さんが勇気を出して警察に相談しなければ、本件は事件化されず、そのまま終わっていたでしょう。 初公判の法廷で、弁護士から「なぜ嘘をついたのか」と問われると、遊佐被告はこう答えました。 「そんなに深く考えていなかった。離婚届を出したことは、役所から連絡がいくのでいずれわかることだと思った……」