【徳島春季大会】徳島商-城東の激突! 昨秋捕手転向の横手がクレバーなリードで徳島商を勝利に導く!
一年前のセンバツに21世紀枠で出場し、東海大菅生に善戦した城東。侍ジャパンU‐18代表として世界一獲得に貢献した森 煌誠(NTT東日本)をエース・主将として城東を夏の徳島大会2回戦で下し、頂点まで駆け上がった徳島商。 【トーナメント表】春季徳島大会 結果一覧 センバツ2試合連続2桁奪三振の最速146キロ右腕・吉岡 暖(3年)を擁する阿南光や、最速153キロ右腕・川勝 空人(3年主将)が注目の生光学園らと共に現在の徳島県高校野球をけん引する両雄が春季大会初戦で激突した。 城東はセンバツでも先発登板した岡 一成投手(3年)に加え、6回表に1番中堅手からマウンドに上がり4回を無失点に抑えた藤倉 和人投手(2年)も最速140キロ超のストレートを投ずるなど、生光学園に初戦で屈した昨秋からの成長が明らかに見えた。ただし徳島商の成長は城東をも凌駕していた。その原動力となったのは準々決勝で鳴門に敗れた昨秋以降にコンバートされた選手たちだ。 昨夏甲子園レギュラー組だけでも主将の吉田 大馳内野手(3年)は強肩を活かすべく三塁手から遊撃手へ。捕球時のステップに優れる遊撃手を務めていた岸本 大翔(3年)は二塁手へ。これにより二遊間は堅さが増した。 徳島商は他にも、昨秋のスタメンから実に5人がポジションを変更。その中で最も輝いたのは、昨夏に俊足巧打で甲子園も沸かせた二塁手から「生粋の野球小僧」と森影 浩章監督も認める吸収意欲を買われ、「小学校低学年の時に少しやった以来」の捕手へコンバートされた横手 亮太捕手(3年)である。 特に城東戦における軟投派スリークォーター・福島 虎之介投手(2年)に対するリードは秀逸の域だった。基本線は「1巡目2巡目3巡目で配球を変えていく」スタイルをベースとする横手だが、福島の変化球を城東打線が張っていると見るや、ストレートをコースに投げ分ける配球にすかさずチェンジ。本来のエース、2番手を体調不良で欠くピンチを脱したばかりでなく散発7安打で福島の147球完投勝利を引き出した。 そんな徳島商の次戦は昨秋敗れた盟主・鳴門。地肩は備えながらまだ二塁送球タイム2秒1台のスローイングなど課題もあるものの「夏につながる試合にしたい」と、170センチ70キロの横手のアグレッシブな姿勢は、この大一番でもキーとなるに違いない。