岩谷翔吾、親友・横浜流星と二人三脚で叶えた作家デビュー「ただただ流星と一緒に面白いことがしたかったんです」
流星の背中を押すつもりで書いた
――この作品の面白いころが、人生は選択の連続であるという一方で、主人公である亮は貧困ゆえ選択肢自体にそもそも限りがあった。そこに、この格差社会の残酷さというか皮肉を感じます。 確かに亮は選択肢がなかったところから始まって、あることをきっかけに今度は逆に選択肢が増えすぎたことで路頭に迷っていく。そして、自分の選択ミスによってまた選択肢を失っていきます。でも、たとえどんな道を辿ることになっても、僕は自分の選択を信じてほしいなという気持ちがあって。自分の選択を信じられるのは自分だけ。だからせめて自分だけは自分の選んだ道を大切にしてほしいし、それは他でもない流星に向けて背中を押すつもりで書いたメッセージでもあります。 ――ラストの亮を待ち構える世界は決して生易しいものではありませんが、不思議と読後は希望が残ります。 亮がやったことだけを切り取ると、きっとSNSで叩かれるようなことだと思います。でもこの小説を読み切ってくれた方なら、亮のことをただ悪い人間とは思わないと思う。これって今の社会の縮図ですよね。悪意のある切り取りによって断片的に見たものだけを信じて人を決めつけたり、変な噂がはびこる。そんな世の中で本当にいいんだろうかと。特に僕も芸能界という、得るものもあれば失うものも大きい場所に身を置く者として自分を削りながら生きているので、少しでも世の中が良くなればいいなという祈りを、微力ではありますが作品には込めさせてもらいました。 ――この『選択』を執筆していた時間は、岩谷さんにとってどんなものになりましたか。 書いてるときは、これを世に出したいとか、これで売れたいみたいな気持ちはまったくなく。ただただ流星と一緒に面白いことをしたいという、ワクワクの延長線上にいた感覚だったんですね。決してビジネスでやっていたわけではなく、自然な流れでやっていたことがこうして形になった。だから、この『選択』は僕と流星の子どもみたいなものなんです。 ――この『選択』を書き上げたことは、岩谷さんのこれからにも影響を与えそうですか。 作家デビューは、岩谷翔吾というアーティストにとっての第2章の始まりだと思っています。ここから岩谷翔吾というブランドをどうプロモーションしていくかは、僕自身も楽しみではあります。