岩谷翔吾、親友・横浜流星と二人三脚で叶えた作家デビュー「ただただ流星と一緒に面白いことがしたかったんです」
亮と匡平という名前は流星がつけました
――横浜さんの原案によってスタートした作品ですが、岩谷さん自身は社会のどん底で這いつくばるように生きる亮や、彼の行き着く裏社会に共感はあったんでしょうか。 自分の中で、小説家デビュー作でアーティストとかパフォーマーの話を書くのは避けたかったんですよ。自分のいるフィールドを題材にすると、書けて当たり前みたいな見られ方をされかねない。だったら、自分が住んでる世界とまったく違う世界を書いてやろうという反骨心が、原動力の一つになりました。 だから、亮の性格と近しいところは正直僕にはあんまりないですね。でも、僕の中で流星という明確なモデルがいたので。執筆するときは、流星のポスターをパソコンの前に貼って、行きづまって頭を抱えたときは、流星の顔を見て、流星ならこう動くかなという感じで書き進めていきました。 ――そうなると、亮と対照的な存在として配置されている匡平が岩谷さんなのかしらと邪推してしまいますが……。 いや、匡平は僕ではないですね。僕と流星の中でも共通のイメージとしてある役者さんをモデルにしてはいるんですけど。先入観なく楽しんでいただきたいので、それが誰かは秘密です(笑)。 ――気になりますね(笑)。 実は流星から亮と匡平の他にもう一人登場人物をつくろうという話も出ていたんですよ。その名前が翔吾なんですけど。 ――そのまんま!(笑) だから僕もそれは絶対無理って言いました(笑)。でも、流星はかなり本気だったみたいです。「なんでやらないんだよ」ってずっと言ってましたから(笑)。 ――気になるのが、この亮と匡平というネーミングです。 名前は流星がつけました。亮も匡平もこれまで流星が演じてきた役の名前で。亮は、『流浪の月』をはじめ、これまで流星が何度も演じてきた役の名前。匡平は、流星が世の中の人に知ってもらうきっかけになった『初めて恋をした日に読む話』の役名です。どちらも流星にとって、すごく思い入れの深い役。ここはもう流星の強い想いで決まったところですね。