断水を想定し小松で消防訓練 輪島朝市の火災教訓に 川からホースつなぎ放水
能登半島地震で発生した輪島朝市の大規模火災を教訓にした小松市消防本部の総合訓練は24日、沖町で行われた。朝市火災と同様、断水で消火栓や防火水槽が使えないとの想定で、事前に訓練内容を伝えない「ブラインド型」で実施。消防署員約70人は離れた川からホースをつないで放水するなど、刻々と変化する状況に対応しながら消火や救助活動を繰り広げた。 訓練は地震で住宅火災が発生し、強風により周辺の4棟に延焼。火元の住宅には、けが人2人が取り残されているという想定で始まった。現場近くの道路は地震で陥没し、消防車両は迂回(うかい)して駆け付けた。消火栓が使えず、約200メートル離れた川からホースを中継した。 住宅内でけが人を捜索中、余震が発生したとして救助活動を一時中断し、署員が屋外に退避する場面もあった。ドローンで上空から状況を確認し、能美市、加賀両市の消防本部にも応援を要請した。 小松市消防本部中消防署の伊勢有実夫署長(58)は「地震で消火栓が使えない状況を想定し、水利確保を工夫して訓練した。災害に備えて訓練を生かしていきたい」と振り返った。