恥かかせるんじゃねえ…校長異様、教頭を精神疾患にさせる 1文字ミスで1時間叱責、頻繁に大声で威圧…めまいし教頭休職 市に賠償命令 今は校長教頭でない2人…当時調査した教委「パワハラない」と説明していた
さいたま市立大宮東中学校で2022年、当時の校長の男性(60)のパワーハラスメントにより適応障害などを発症し、休職せざるを得なくなったとして、元教頭の男性(52)が市を相手取り、慰謝料など約920万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、さいたま地裁であり、田中秀幸裁判長は市に約480万円の支払いを命じた。 女性教員がわいせつ行為、男児の性器を触る…放課後の教室 幹部になり発覚 当時は自宅で性交も試みた
訴状などによると、元校長は入学式のしおりの1文字のミスについて「恥をかかせるんじゃねえ」と約1時間にわたり叱責するなど、校長室や職員室で男性に頻繁に大声で叱責。男性は耳鳴りやめまいの症状を訴え、適応障害と診断され休職した。 判決理由で田中裁判長は、元校長が「高圧的、威圧的な対応で、絶対的な上下関係が形成された」と指摘。過度な叱責や人格の否定などが「パワハラに当たる」とし、さいたま市に損害賠償責任があると認定した。 判決によると、男性は元校長から短期間で集中的にパワハラを受けたことなどで、メニエール病や適応障害を発症。パワハラの影響により、男性の4月期の時間外在校時間は75時間増となっていた。 男性側の弁護士は取材に詳細に関する説明は避けつつ、「主張がある程度認められた」とコメントした。 証人として出廷した男性の元同僚は「校長は教頭に負担の大きい研究発表を一からやり直すよう命じるなど、明らかに異様だった。校長が赴任するまでは元気だったのに、(パワハラで)弱っていく姿を見るのはつらかった」と振り返った。市教委に実情を訴えたものの、「パワハラはない」という調査結果の報告を受けたとして、「裁判で事実が認められたので、改めて市教委に説明を求めたい」と話した。
さいたま市の竹居秀子教育長は「判決文を精査し、今後の対応を検討する」とコメントを発表した。