順天堂大学、新学部開設を断念 構想の取りやめ市原市に報告 建設費高騰が最大の要因
市原市内に新学部を開設する構想が昨年明らかになった順天堂大学は、構想を取りやめ、小出譲治市長に報告した。同市が20日、発表した。構想では、JR八幡宿駅周辺を候補地として順大が「農と食」をテーマにした新学部を開設する方針だった。新井一理事長補佐が市役所を訪れ、小出市長に伝えたという。 市拠点形成課によると、開設に伴う校舎建設費の高騰が最大の要因。順大は昨年、千葉県内高校を中心にアンケートを行い、市商工会議所を通じて地元企業向けの説明会も開き、学生確保の見通しや卒業後の就職先のニーズ把握など事業性を調べた。新井氏は「高校生への入学意向調査や校舎建設プランの検証など実現可能性調査を行ったが、学生確保の見通しや学部運営の事業性について非常に厳しい結果となった」と断念した理由を説明したという。 順大がさいたま市で新病院開院計画を建設費高騰を理由に11月に中止表明したため、市原市が新学部構想の説明を求めていた。 小出市長は「まちづくりの一翼を担う構想と期待していたが大変残念。今後も八幡宿駅周辺の拠点まちづくりビジョン実践に向け取り組む」とコメントした。