[MOM1001]国士舘大FW東川続(4年)_“1/11”を強調する点取り屋が「恩返し」のアシスト
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [11.2 関東大学L1部第20節 筑波大 1-1 国士舘大 筑波大学第一サッカー場] 【写真】「信じられない可愛さ」「土台が違う」人気アイドルの“無加工ショット”にサッカーファンも注目 得点ランキングトップタイの国士舘大FW東川続(4年=四国学院大香川西高)が今節はアシストでチームに貢献した。残留争いが続く中で目の前の戦いに全力を尽くし続ける覚悟を示した。 国士舘大は優勝を争っている筑波大と対戦。スコアレスの前半34分、東川が左サイドを抜け出してマイナス方向へクロスを上げると、走り込んだMF中村晃大(4年=丸岡高)が頭でゴール右へ流し込んで先制点を奪った。東川は「ファーストタッチでいい感じで入れ替われて、中を見たときに筑波の選手しか見えなかった」と明かし、「『マイナス』という言葉が聞こえたのでとりあえずマイナスに上げてみようかなという気持ちであげたら、たまたま良いボールになったので良かった」と振り返った。 ただ国士舘大は後半劣勢に回り、1-1の引き分けで終了。東川は直近3試合で1失点に抑えている守備陣に感謝しつつ、引いて守る展開になった後半を悔やんだ。チームは残り2節で1部・2部入れ替え戦圏の10位と残留争いが続きながら、全日本大学サッカー選手権(インカレ)出場圏内の8位と4ポイント差で全国切符を掴む可能性も残っている。 残留達成、そしてインカレ出場権獲得へ期待が寄せられるのが東川だ。今季ここまで11ゴールを決めて得点ランキングトップタイと奮闘中。昨年の2ゴールから一気にエース格へと力をつけた。きっかけは今季初得点を含む3ゴールでハットトリックを達成した5月4日の日本大(○4-3)だという。 日本大戦の1週間前、東川はPKを外して試合にも敗れてしまった。その試合後に大澤英雄テクニカルアドバイザーから電話で「今年の国士舘のエースになってほしい」と激励され、決意を新たにした。迎えた日本大戦では「正直怖かった」と本音を漏らしつつもPKも決めて勝利に導くと、そこからゴールラッシュが始まった。 ただ現在は1か月以上ゴールがなく、東川は「(得点王を)意識しないようにしているんですけど、意識しちゃってちょっと固くなっている部分が自分の中である」と現状を見つめる。その上で貪欲さを持ちつつもピッチに立つ11人の中の1人、チームの一員であることはつねに忘れていない。 「チームがあってたまたま自分が(得点チャンスの)そこにいただけというのが僕の中にある。たまたまこういった結果が積み重なっただけで、本当はチームの得点だと考えている」 そういった意識は1つ上のFW古川真人(現富山)から学んだ絶え間ないハードワークに加え、この日のアシストを「恩返し」と表現するところにも表れている。東川はこの日が今季初アシスト。残りわずかなシーズンで「いつもみんなにゴールさせてもらっている立場で、今日はたまたま良いクロスがいってそれが得点に繋がった。今までみんなが僕にしてくれたことなので恩返しというか、まだ1回目ですけど積み重なっていければ」と、勝利のためにゴールを演出する側になることへの意欲も示した。 日本大戦後の囲み取材ではジュビロ磐田でプレーした父・東川昌典さんから「目の前のことをまず全力で」と金言を受けたことを明かしていた東川。その積み重ねが今季の個人記録に繋がっているが、Jクラブからのオファーはまだ届いていないという。それでも「絶対誰かが見てくれているというのはスタッフも言ってくれているので、それを信じてチームのために今は頑張る」と教え通りブレずにやり続ける覚悟だ。 次戦は1つ下で自動降格圏の11位・駒澤大との大一番。東川は「次の駒澤戦が最後の試合だと思って、そこでやりきるくらいの強い気持ちをみんなで持って残留、インカレを目指していきたい」と力を込めた。