佐藤信人が見た松山の強さ オーガスタ似コースで強さ証明 マスターズVへ追い風
◇米男子ゴルフツアー ザ・セントリー最終日(2025年1月5日 米ハワイ州 プランテーションC=7596ヤード、パー73) 米ツアー新記録となる通算35アンダーをマークし、今季開幕戦を制した松山の強さの要因はどこにあるのか。日本ツアー通算9勝を誇り、米ツアーにも精通している佐藤信人(54=ミズノ)が強さと進化を分析した。 プランテーションCはフェアウエーが広く、グリーンも大きくロースコアが出やすい。今年は風が穏やかでグリーンがウエットでボールが止まる状態だったこともありバーディー合戦になった。 ただしパーが3つも続くと置いていかれるし、ボギーは普段のダブルボギーと同じダメージを受ける。伸ばし合いならではのプレッシャーもある。その中でのツアー最多アンダーパー記録更新は凄いとしか言えない。 好スコアを支えたのはパット。キャリアの最初の頃は絶対的なショット力で勝っていたが、最近はショットが本調子でなくてもパットが入って好成績を残すケースが増えた。好調の要因は地道な練習の積み重ね。外から見ただけでは変化は分からないが、以前はワイドスタンスでガチッと固めていたのに今はもう少しナチュラルに立っている印象がある。 プランテーションCは高低差が激しく、傾斜地から打たされるためアイアンのうまい選手に向いている。ジョーダン・スピース(米国)が「オーガスタによく似ている」と話すコースでショット力の高さを証明した。 最も驚かされたのは16番の第2打だ。傾斜でグリーン手前に戻ってくるリスクを冒しピンの根元に打ってバーディーにつなげた。モリカワに2打差に詰め寄られた状況で、もっと安全な場所を狙うと予想された中、あの一打を打ったところに松山の強さを見た。 シーズン序盤で勝ったことには大きな意味がある。4月のマスターズに向けても良い流れができた。今大会を欠場した世界ランク1位のスコッティ・シェフラー(米国)とも互角に勝負できるし、順調にいけば年間王者や世界ランク1位も狙える状態にあると思う。(プロゴルファー)