初出場の狭山ケ丘が16強入り 秋田令和に2―1で競り勝つ 全日本高校バレー・女子 約1100人の応援団の声援も力に
バレーボールの全日本高校選手権第2日は6日、東京体育館で2回戦が行われた。県勢は男女とも初戦に臨み、女子で初出場の狭山ケ丘が秋田令和に2―1で競り勝ち、16強入り。男子で3年ぶり11度目出場の埼玉栄は開智(和歌山)に0―2で敗れた。 女子は狭山ケ丘が初の全国へ 春日部共栄に競り勝つ 男子は埼玉栄が3年ぶり10度目頂点 昌平に逆転勝ち ▽女子2回戦 狭山ケ丘 2 22―25 25―21 25―21 1 秋田令和 戦評…女子の狭山ケ丘は持ち前のコンビバレーで粘り強く戦い秋田令和に2―1で逆転勝ちした。 第1セットは序盤から長いラリーの応酬が続くも22―25で落とした。第2セットは宮沢、倉田の両アタッカーが計11得点と躍動して25―21で取り返した。最終セットになるとリベロ伊藤らが体を張って球を拾い、藤野、倉田が要所でスパイクを決めて勝ち切った。 ■心の成長示す/ライト倉田 狭山ケ丘のライト倉田が2桁得点で勝利を引き寄せた。第3セット、24―21で「自分にトスが上がってくると信じていた。最後は気持ちで打ち切って、鳥肌が立った」とスパイクで相手守備を崩し試合を決めた。 身長163センチ。チーム1、精神面が弱かったが選抜チームや県での優勝経験で自信をつけ、この舞台に立つ。「仲間が上げてくれた一本をどうしたらこの身長で決められるか、常に考えながら攻撃した。心が成長したことをコートで示せた」と満面の笑みがあふれた。 ■笑顔で歴史塗り替える 女子の狭山ケ丘が夢の舞台で新たな一ページを刻んだ。全国の初陣にも気負うことなく選手たちの顔は終始笑顔で満ちていた。引地監督は「3年生を中心に狭山ケ丘の歴史を塗り替えてくれた。卒業生の力も形となった」と喜びをかみしめた。 序盤から長いラリーが続いた。リベロ伊藤、室を中心に粘り強く球を拾うと、森、藤野が多彩な攻撃を展開。藤野は「強打やフェイントなどめりはりをつけた」と相手を翻弄(ほんろう)した。しかし競り合う展開でわずかに及ばず第1セットを献上した。 第2セットは宮沢、倉田の両エースが躍動した。均衡したスコアの中で、西村、藤野が安定したディグから流れを呼んだ。宮沢は「パワフルなスパイクがコースに決まった」と計六つのブロックアウトを奪うなど、試合を振り出しに戻した。 一進一退の第3セットはコートを広く使い、攻撃の的を絞らせなかった。起点のセッター西村は「レフトを使いつつ相手のマークを外すようにトスを散らせた」。開始からリードを奪うと、5得点の藤野、6得点の倉田と3年生が意地を見せた。 現チームの強みは劣勢の場面でも笑顔が絶えない精神力。会場を訪れた約1100人の応援団の声援も力になった。主将の藤野は「苦しい時は応援を支えに、自信を持って戦えた」。明るいチームカラーを前面に、さらなる歴史をつくっていく。