早い閉経は問題? 何歳以下だと早発閉経という? 対策は必要なの?【我慢しないで快適に過ごす、閉経への道 ⑦】
【教えてくれたのは】 八田真理子さん 産婦人科専門医。幅広い世代の女性の診療・カウンセリングを行う地域密着型クリニック「 聖順会 ジュノ・ヴェスタ クリニック八田」院長。著書に『思春期女子のからだと心 Q&A 資料ダウンロード付き』(労働教育センター)、『産婦人科医が教える オトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』(アスコム)ほか。
45歳より早く閉経したら、もれなくお薬を出します!
「45歳までは月経があったほうがよいので、それより早く閉経した方には、私はエストロゲン製剤(プレマリンやジュリナ)とプロゲステロン製剤(デュファストン)を処方しますね」と話すのは、産婦人科・婦人科・美容皮膚科の診療・治療を行い女性のライフスタイルを総合的にサポートしている、婦人科医、美容皮膚科医の土屋眞弓さん。 「後々、支障が出ることを考えて、ホルモン剤を投与して月経を起こすようにしないといけないと思っています。 若い方で、女性ホルモンが出ていない方にホルモン剤を投与するのは『カウフマン療法(エストロゲン・プロゲスチン療法*)』といわれてきた、一般的な方法です」 *エストロゲン・プロゲスチン療法とは、卵巣機能不全の治療法のこと。ホルモン剤を使用して擬似的に自然なホルモン変化を促し、人工的に月経周期を作る治療法。眠っていた卵巣が再び働き始め、次の周期からは自然に排卵をすることもある。以前はカウフマン療法と呼ばれていたが、2020年の産婦人科診療ガイドラインで呼び方が改められている。 「やっぱり45歳ぐらいまでは、3カ月に1回でも月経を起こさないといけないので、お薬を出しますよね。それは更年期的な症状があってもなくてもです。 ホルモンが出ないことによって血管が守られない、要するに動脈硬化が早く進んだりとか、心臓の病気とか、高脂血症になってしまったりとか。もちろん骨粗しょう症もですが、体の中でいろいろなリスクが出てきてしまうので。 『2カ月たっても月経がこなかったらまた来てね』と伝えて、なければ来院してもらって。定期的に飲んでいる方もいます。平均的な閉経年齢に近づくまで、飲んでもらっていますよ」