【解説】アメリカ議会上空に“UFO”!?4つの発光物体が突如出現し大騒動に!トランプ氏就任で「全領域異常対策室」の“機密指定”開示進むか
「地球外生命体の活動など発見していない」
これに対して、AAROのコスロスキー氏は、直近の報告書にも示された、約1600件のUFO関連の報告、調査結果などを説明した。 さらに「今日まで、地球外生命体の活動や技術の検証可能な証拠を発見していないことを強調しておくことは重要である」とこれまでと同じ説明も繰り返した。 一方、議会を中心に強まるAAROへの不信感に配慮してか、「あらゆる領域における未確認物体は、我々の安全保障に脅威をもたらす可能性がある」、「AAROが優先する事項は透明性」「多くの情報を機密解除し、公に共有することに、私たちは全力を尽くしている」などと、誠実に対応していることもアピールした。 出席議員からは、軍事基地や核施設周辺でのUFO目撃が、敵対勢力のスパイ行為だった場合などの国家安全保障上の脅威についての対応に加え、「技術や飛行パターン、出没理由も不明な物体に対して、国防総省やAAROは何ができるのか?」と厳しい質問も突きつけられた。 コスロスキー氏は、多くのデータ収集によって「気球だろうが、ドローンだろうが、異常な活動だろうが効率的に追跡できるようにする」とした上で、対応に全力であたる姿勢も示した。 加えて、現時点での調査能力では、説明のつかない事例もあることも認めた。 2025年1月にはトランプ新政権が発足し、AAROも大きな転換を迎えるとみられているが、少なくともコスロスキー氏が議会に対して誠実な対応を取ろうとする姿勢はうかがえた。
“非公開ブリーフ”に注目集まる
一方、12月6日には下院議員に対しコスロスキー氏を含むAAROのメンバーが、完全非公開でブリーフを行ったことに注目が集まっている。 内容には機密情報が含まれているとみられるが、出席議員の1人である共和党のナンシー・メイス議員がその一部を語った。 それによれば、いくつかのUFOと指摘された事件について「UFOではない」と結論付けた経緯や説明が行われたという。 しかし、メイス氏は「説明されていないものもあり、どのようにその結論に至ったのか、なぜまだ答えのない対象なのかを開示し、機密指定を解除する計画があると彼らは言っている」とも答えたのだ。 AARO自体が機密指定している映像や画像の中に、現時点でも何かを解明できていないものがあり、公開を検討している点は今後の展開が注目されている。 2025年1月に大統領に就任するトランプ氏や、議会の上下両院で多数派となった共和党は、ここ数年、UFO情報の開示や、機密指定解除にかなり積極的に行動してきた。 2025年は大きな変革や情報発表にも期待が集まりそうだ。 【取材・執筆:FNNワシントン支局 中西孝介】
中西孝介