AIに仕事を奪われそうなライターが、AI研究者にとことん聞いてみた
AI研究者はAIに仕事を奪われるのか
──清田さんの仕事はホワイトカラーですが、ご自身の仕事もAIに奪われると思いますか。 清田先生 :自分の仕事もなくなると思います。僕は研究所で研究室を運営していますが、チームメンバーの半分はAIに置き換わるのではないでしょうか。生き残るためには最新のAIを作る側になる必要があります。しかし、競争社会なので、もっとすごいAIが出てきたらAIのお世話をする仕事に回るかもしれません。 最近、アメリカでは雑誌の原稿を書くより、AIに正しい知識を教えるための文章を書く方が高い報酬が出ると報道されています。つまりAIのお世話をする仕事です。 ──清田さんはAIのお世話をする仕事をしたいですか。 清田先生 :AIが生産性をより高めていくのに貢献できるなら嬉しいですね。 ──AIのお世話がかりになることを受け入れられないと考える人もいると思います。また、AIの発展によって失業の危機に晒されて不安に思っている人たちは、どうすればいいと思いますか。 清田先生 :自動車が登場したとき、人々の生活はガラッと変わりました。そのときの歴史を学ぶのは一つの手だと思います。 あと、日本の場合、高齢化社会の先に人口が減ることが予測されています。2/3くらいの人口になって労働人口も減る。その中で社会を維持しようとすると、仕事を失うのではなく減った労働人口をどうやって埋めるかという議論になるでしょう。 ──人口減少は確かに課題ですね。では、AIは人の仕事を奪ってしまう一方で社会課題も解決するいい側面もある、と。ただ、私個人としては、その進化の速度が早すぎてちょっと怖いです。清田さんはワクワクしながら明るい未来を想像できているのですか。 清田先生 :100%できています。 だって、こんなに面白いシチュエーションに立ち会えているのですから。数年前まで想像もできなかったことが起きている。人類史上稀に見る速度でテクノロジーが発展しているんです。 今後数年はAI分野の研究開発が進みます。2030年、40年を見越して先手を打ちながら、どう参加するかがとても重要になります。 それで、この映画を見て考えることは意味があると思います。