注意 餅を詰まらせる窒息死は1月に集中 事故は「飲み込む力」の衰えが深く関係 専門家が誤嚥を防ぐ方法や食べる際の注意点を紹介
「食後にむせることが減った」効果実感
同好会会長の塩原誠さん(73)は、食事の後にむせることが増えていたことをきっかけに、2017年、市民講座でスポーツボイスを始めた。講座の終了後も住民有志で続けようと18年に同好会をつくった。月2回、10人前後のメンバーで活動。塩原さんは「むせることが減って、気にならなくなってきた」と効果を実感している。
のど上げ体操で強化
飲み込む動作を理解することの大切さを啓発し、「飲み込み力」を高めるトレーニングを広めているのは、嚥下トレーニング協会(東京)。代表理事で神鋼記念病院(神戸市)の耳鼻咽喉科部長、浦長瀬昌宏さん考案の「のど上げ体操」は、筋肉や喉の動きを確認しながら「飲み込む」という動作を意識的に行うことで嚥下機能の強化を図る。
動画投稿サイトでも紹介
動画投稿サイト「ユーチューブ」の「嚥下トレーニングチャンネル」で、のど上げ体操など家でできるトレーニングを紹介。基本的には嚥下機能に問題のない人向けの内容で、浦長瀬さんは「嚥下機能の低下を防ぐには、60代など早いうちから訓練を始めることが大切」と強調している。
【嚥下機能が衰えているか調べるには】
手の指をそろえ、小指が鎖骨辺りに来るように指の腹を喉に当てて顎を引く。この時、喉仏が薬指や小指に触れる感じならば要注意
【咽頭がしっかり締まるようにするトレーニング】
舌を前方に突き出し軽くかむ。そのままの状態でつばを飲み込む
【喉仏を上げるトレーニング】
両手を顎で支え口を開けて30秒キープ。手と顎で押し合うイメージで、喉に付加がかかるのを感じながら行う
【喉仏を上げるトレーニング(簡易版)】
口を閉じてうなずく姿勢になり、おでこを手のひらで支える。おでこと手で押し合い、喉に負荷がかかるのを感じながら10~30秒維持。体調に合わせて無理のない程度に。誰かにおでこを支えてもらってもいい
【声帯を鍛えるトレーニング】
椅子に座って両手を下ろし、座面の両脇に手をかける。「えいっ!」と声を出して、そのまま5秒息を止める。声帯が閉じるのを意識しながら実践しよう