注意 餅を詰まらせる窒息死は1月に集中 事故は「飲み込む力」の衰えが深く関係 専門家が誤嚥を防ぐ方法や食べる際の注意点を紹介
Q 誤嚥を防ぐにはどうしたら?
A 喉の周辺や舌、声帯を鍛えるトレーニングを勧めている。継続できそうなものを続けることが大切だ。気付いた時にこまめに取り組んでほしい。誤嚥を防ぐため、今回示したトレーニングをしながらの飲食は厳禁だ。声帯は誤嚥を防ぐ最終関門なので鍛えたい。高音、低音などいろいろな声を出すといいのでカラオケもお薦め。また、食べる時に使う筋肉は話す時に使う筋肉と同じなので、しゃべる機会を増やすことも大切だ。
Q 正月に餅を食べる際の注意点は
A 餅を食べるのは今年の正月以来、1年ぶりという人もいると思う。かむのは飲み込みやすくするためなので、普段食べない固さ、形状のものを食べる時は特にかむ回数を増やしてほしい。たくさんかんで唾液とよく混ざるととろみがつき、飲み込みやすくなる。 しっかりかむためにはぐらぐらした歯を治療したり、入れ歯を調整したりすることも欠かせない。清潔な口を維持するために歯石除去も重要だ。気になることがある人は歯科受診を。高齢になっても安全においしく食べるために、健康な口を維持する意識を大切にしてほしい。
声を出すと効果的 カラオケ使ったトレーニングも
嚥下(えんげ)機能を高めようと、さまざまなトレーニングが広がっている。松本市では高齢者を中心にカラオケ機器を使ったボイストレーニング「スポーツボイス」を実践。喉周りの筋肉を鍛える効果があるとされ、市内各地で住民が集まり取り組んでいる。
「あー、あー、あー」。専用のカラオケ機器から軽快な音楽が流れると、70~80代の8人が手を上下に動かしながら発声練習を始めた。11月下旬、同市神林地区の「神林スポーツボイス同好会」の活動。スクリーンに映し出された講師のかけ声に合わせて、腰を落としたりステップを踏んだりと動きを変えていく。
高音や低音など声帯を意識しながら発声を続け、最後は「見上げてごらん夜の星を」などをみんなで歌った。活動を終えた参加者たちはすっきりとした表情に。ある女性は「大きな声を出すと気持ちいい」と話していた。