柵不要で設置面積92%削減…東芝、「倉庫ピッキングロボ」開発
東芝は安全柵が不要で設置面積を従来比92%削減したピッキングロボットシステムを開発、2025年度に受注を開始する。物流倉庫内での人員配置に対応して必要な場所に容易に設置できる。昼間は人が作業するピッキング台に夜間はロボットを設置し、そのままピッキング作業するなどの使い方を想定する。物流現場の省人化に貢献し、生産性向上につなげていく。 【写真】東芝が開発した「倉庫ピッキングロボ」 市販のロボットアームやカメラを用いつつ、東芝のロボットハンドやロボットソフトウエアプラットフォーム(基盤)、全体システム設計、ロボットの知能化などを組み合わせ、実現した。またレーザーセンサーを活用することで安全柵を不要とし、設置面積は約1・3平方メートルに抑えた。 従来のロボットを用いたピッキングシステムでは安全柵が不可欠だったため、設置面積を広く確保する必要があるのが課題だった。 ロボットハンドは用途に合わせて適切に切り替えられる方式にした。また、人による運搬を容易にするため、移動用キャスターと取っ手をつけるなど工夫をした。実環境での設置から起動に必要な時間は7分程度に収めている。 電子商取引(EC)の拡大により物流倉庫内で、注文に従って商品をピッキングする作業は少量多品種分野で大幅に増加している。自動棚搬送ロボット(GTP)などの普及で、商品を作業者に運ぶ分野では自動化が進められているものの、商品のピッキング分野ではロボットの導入は限定的になっている。 東芝では昼間は人が作業するピッキング台に夜間はピッキングロボットを配置して、作業を続けるなどの使い方を提案する。また、夜間にロボットが作業に失敗した場合、翌朝に人が修正するなど簡単な仕事はロボットに、複雑な作業は人間に振り分けるなどして補い合うような使い方も想定する。