高校2年生の娘がいます。将来、語学を生かした仕事に就きたいと言っているのですが、専門学校と大学、どちらがいいでしょうか?
専門学校と大学とでは、どのような違いがあるのか解説します。進路選択の参考にしてください。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
専門学校の受験料・学費、選抜方法
専門学校(専修学校専門課程)は、都道府県知事の認可を受けた学校です。専門的な職業教育を行っていても、公的な認可を受けていない学校(無認可の教育施設)の場合は、在学中や卒業の扱いなどが異なります。 例えば、専門学校では日本学生支援機構の奨学金を利用できますが、無認可の教育施設では利用できません。無認可の教育施設を卒業しても、学歴は「高卒」です。 専門学校は、ほとんどが私立です。工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養という8つの分野があります。修業年数は最も多いのが2年制ですが、1年制、3年制、4年制もあります。看護や理学療法・作業療法など、医療分野の学科は3年制以上です。 大学と違い、教養科目が少なく、8割程度が専門科目です。時間割も決まっており、自由に授業を組むことができません。 受験料は2万円が目安ですが、学費は分野・学科により差があります。文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、私立高等専門学校で令和5年度の初年度納付金の平均額は約128万円です。 また、東京都専修学校各種学校協会調査統計部調べによると、理学療法・作業療法が約183万円、製菓が約172万円と高くなっています。 専門学校では職業に直結した技術等を学ぶため、実習費や材料費などの諸経費も結構かかります。例えば、理容・美容であればハサミ一式など数十万円かかる場合があります。 選抜の方法は、大学と同じく「AO入試」「推薦入試」「一般入試」があります。一般入試は、書類選考のみ合否が決まる学校もあり、この場合は専門学校では学ぶ意欲があれば入学できます。 ただし、医療系や4年制の学科には学力試験を課す場合が多く、スポーツ系や美術系、保育系などには実技試験が課されます。また、「一般入学」の願書受付も11月1日以降(東京都の場合)と大学よりも早くなっています。