2023年12月14日深夜のふたご座流星群はいいぞ
■ふたご座流星群のピークは12月14日ごろ 毎年12月14日ごろは、流れ星を見る大チャンス日です。今年は特によいです。 というのは、年間で最も流れ星の数が多く、通常の3、いや10倍もの流れ星が見られる、ふたご座流星群の活動のピークだからです。 そして、今年は非常に条件がよく、星が見えない都心でも10分もがんばれば、流れ星の1つや2つは見つけられそうです。 直前でございますが、絶好条件のふたご座流星群、観察のポイントと若干のウンチクをご紹介いたしますねー。 流れ星、最近見ましたか? ちなみに、常人の100倍以上星空を見ている(※)ワタクシが最近見たのが8月末、某所での野外授業中でございました。まあ、なかなか流れ星は見られないのです。 それもそのはずで、流れ星そのものは毎日流れているのですが、都会で見られるクラスは1時間に1個ない程度。しかも見られる時間は0.5秒間ですから、そっぽをむいていたらアウト。ちょっと数時間空を見続けて、意識して1個見えたらラッキー、という感じなのでございます。 でも、年に数回、流れ星が多く流れる時期があります。その中で近年最も流れ星がよく見えるのが、12月14日の夜。ふたご座流星群が活動のピークを迎える時期なのです。実に通常の10~50倍の流れ星が流れますので、10分間も見ていれば、流れ星の1つや2つは、まず見られます。流れ星を見ようかなという人は、この日に絞れば、ほぼ確実に流れ星を楽しめます。大チャンスです。 そして、今年のふたご座流星群は、流れ星を見る際にジャマになる月明かりがないというボーナスと、ピークの時刻が14日の深夜0時ごろにあたっていること(夜明け前とか昼間になることも多い)で、3年~5年に1度レベルの絶好の条件になっています。 ということで、14日の夜は、ぜひ空を眺めてください。10分間見れば、まあ1つや2つの流れ星が……、あ、同じことを繰り返していますな。えーとですね、ちょっとコツめいたことをご紹介しますね。 (※):常人の100倍というのは、宇宙業界で、一般向けに解説する仕事をしているとまあ普通かそれ以下で年間50時間くらいです。つまり一般の人は年に10分も夜空を見る程度。一方、ガチ勢は、周平均10時間で、常人の1000倍、年間500時間とか星空を見ています。 ■ふたご座流星群観察のコツ ■とりあえずの基本 1:時間は14日~15日の夜いつでもよい 2:場所はできるだけ空が広く見え、直接照明の明かりがないところ 3:空のどっちを見てもよい。空を広く見ると流れ星が見られる可能性あがる。すわって見上げたり、寝転べれば一番よい。コットや寝椅子あれば最高。 ふたご座がどこにあるかは、知らなくても大丈夫。まあ、オリオン座の近所ですけど。そこから、空全体に広がるように流れ星が流れます。(図) 4:安全に。楽に。危険をさける ■さらに詳しく、流星群を楽しむためには? ■できれば、1時間は見る(10分でもよいが長い方がより楽しめる) ふたご座流星群の流れ星は、空のあちこちに流れ星が1時間最大で数個から数十個見られます。 そして、一発の流れ星が見える時間は0.5秒間。ずっと見ているのがコツです。 また、目が、星をよく見えるように「暗順応」するのに数分は時間がかかるので、ちょっと見て、部屋に入ってというのはよくないです。 つまりは、ちょっと長い時間外にじっといるという前提で行動しましょう。トイレなどはあらかじめいっておくなどは結構大切なことでございます。 ■暖かい服装などの準備 1時間も外にいると、季節柄冷えたりします。しっかりと防寒対策をしておきます。歩き回るのと違い、じっと観察するのでどうしても冷えやすいです。特に、首がつく、首、手首、足首などの細いところと地面に接する足下や冷えるとまずい腰などはしっかりサポートしておきましょう。 ■安全な場所の確保(できれば家の敷地内で) 1時間外にじっとするというのは、結構リスクがあります。道ばたとか駐車場は、自動車などの危険もあります。あさっての方向を注目するので歩きスマホと同じくらい危ない。できれば、家の敷地内がよいです。庭とかベランダとか。公園もよいですね。 ■道具は不要。星以外の光を見ない。 道具は不要。メガネやコンタクトはかけてできるだけ遠くのものがくっきり見えるように。 明るいものは見ない、街灯などのほか、スマホの画面や懐中電灯の直視もさける。 ■やってはイケナイ 駐車場や畑など、他人の土地に「無断で」入るのは厳禁。 自動車や、野生の大型動物が入る可能性がある場所、落下や水濡れの可能性がある場所は避ける。 大声を出す。公共の場所などにゴミを散らかすなどはダメ。夜中ですしね。 ■流れ星の写真や動画を撮るには? 最新のスマホだと、星空がそのまま写ります。三脚が用意できればいいですが、なくても、真上を向けて地面においておくという手もあります。 なお、流れ星はいつ流れるかわからないので、タイムラプスとか動画などがよいでしょう。バッテリーがあがらないように、外部のバッテリーをつなげるのもで撮影にチャレンジするのもいいかもしれませんな。 ■う・ん・ち・く ■今年のふたご座流星群は、条件ベスト ふたご座流星群のピークは、12月14日ですが、毎年少しずつ前後します。昼間ということもあり、ピークから半日たつと流れ星の数は半減しますが、今回は、夜中がピークと絶好です。 また、月明かりがあると、都会でなくても流れ星が見えにくいのですが、今回は月がほぼ見えません。これも非常によいです。 結果として、天の川が見えるようなところでは、14日深夜に1時間60~70個の流れ星が見られると予想されています。また、都会でもその10分の1程度、1時間に7個程度は望めそうです。詳しい予想は、流星研究家で国立天文台などでも広報の仕事をされている佐藤さんのホームページがわかりやすくてよいです。 ということで、とりあえず、1時間、いや10分でよいので、14日は空を見上げてみて下さい。天気がもてばいいですな! ■ 東明六郎 しののめろくろう 科学系キュレーター。 あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。
東明六郎