アメリカで「飲酒運転」の基準がユルユルな信じられない理由
一方、アメリカ人は、「ヒューマンエラーは起こるもの」という前提に立ってシステムを作っています。人間はミスをするものです。つまり、あらかじめ誤差がいくらまでなら許容するという現金差を定めておき、レジのお金がその誤差の範囲内に収まっているなら、従業員たちをそのまま帰すのです。 マクドナルドでは、売上の0.1%まで誤差が許容されます。レジの現金が多少合わなくても、従業員を居残らせて合うまで計算させた際の「人件費」とその「現金差」を天秤にかけると、居残らせないほうが効率的なのです。もちろん、差額が範囲内に収まっていないなら、原因を追及します。 ちなみに、アメリカでは、レストランなどの店舗だけでなく、銀行ですらこの現金差をある程度許容しているから驚きです。 私はアメリカ時代、何度か銀行の支店長とお話しする機会に恵まれたのですが、その時にこの現金差の話題になり、彼らは金額の帳尻が完全に合わないことは普通なので、ある程度は許容するとおっしゃっていました。 対する日本人は、100%性善説に立っているのか、「間違いが起こるはずはない」「従業員がくすねるはずがない」という考えを持っていると感じます。
そのため、レジの現金が1円でも合わないと、従業員に「じゃあ、計算して」「なんでそうなっているのか突き止めて」と指示を出して、居残らせるわけです。 おまけに、残業代も支払わずに居残らせているケースもかなりあるのではないでしょうか。それでは従業員のエンゲージメントも下がってしまいます。 金額の帳尻が完全に合うまで従業員を帰さない日本のやり方は、本当に正しいのか、よく考えたほうがいいと思います。 ● アメリカで駐車違反を取り締まるのは 朝と夕方のラッシュ時間帯だけ さて、続いては車のお話です。 アメリカといえば、日本の約26倍もの国土面積を誇る国ですから、車社会であることは有名です。アメリカで通勤・通学をしようと思えば、車がないと大変不便な思いをすることになります。スーパーに買い物に行くだけでも一苦労なので、車がなければ生活ができないと言っても過言ではないでしょう。 アメリカ人にとってまさに生活必需品の最たるもの、それが車なのです。 そのように、生活になくてはならない車ですから、当然、アメリカでは日本とは全く異なる効率性を重視したルールが適用されています。 例えば、駐車違反と飲酒運転。アメリカで、駐車違反の警察による取り締まりが行われるのは、主に朝と夕方だけだということをご存知でしょうか。