リニア問題はいつまで続く…「静岡県のメリット示す」鈴木知事がJR東海社長に‟宣戦布告”した!
新駅設置で予想される経済効果
当然、山梨県顧問を務め、鈴木知事と懇意である長崎知事がこれまでにもまして‟援護射撃”を行うことも予想される。 これまで川勝氏は「静岡県のメリットを示せ」と主張したが、静岡空港新駅について、実際には何らの働き掛けも行わなかった。 知事職に就くことと、知事として何をなすのかは全く違う。 政治家として何かをなすことはさまざまな困難を伴うからだ。新知事に就いたばかりで、面倒な困難を引き受けることを明らかにしたことは大いに評価される。 東京・品川―名古屋間のリニア開業は、少なくとも10年以上先の話であり、その開業をにらんでの静岡空港新駅設置は簡単なことではなく、こちらも時間が掛かりそうだ。 JR東海がどのような対応をするのか、すべて今後の問題である。 筆者の私見ではあるが、JR東海はこだまの停車を想定しているのに対して、ひかりのみの停車駅としてしまえば減速等の問題は解消される。 東京―静岡空港駅―名古屋―京都、大阪としてしまえばいいのだ。 現在、静岡空港を利用する中国、台湾、韓国などからのインバウンドには非常に便利となる。国際便などの離発着に合わせたひかり停車ダイヤをつくればいい。富士山観光などを終えた帰国便にもピッタリとあてはまる。 東京・品川―名古屋間のリニア開業時にインバウンド需要が増えているのならば、必要性の高い新幹線駅と期待され、採算性も高い。 現在、2500メートルの滑走路を3000メートルへ拡大して、中国、台湾、韓国だけでなく、タイ、インドネシアなどアジア全体、ヨーロッパ便まで視野に入る。 今回の懇談で、JR東海として、丹羽社長が初めて対話の席に就くことを明らかにした。長崎知事が「画期的な新駅」と高く評価した通りになる可能性があるのかどうか、今後、検証していく価値はある。 【もっと読む】『新“静岡県知事”は「県の汚名」を返上できるのか…富士山保全のやり方次第で「川勝知事の二の舞」になるワケ』
小林 一哉