【コラム】米「真夏のダービー」に英ダービー馬シティオブトロイ参戦も
米国3冠競走を締めくくるG1ベルモントSは今年(および来年)、ニューヨーク郊外のサラトガ競馬場に開催地を移し、距離もダート2400メートルから2000メートルに短縮して現地8日に行われます。 開催地の変更は今回と同様にベルモントパーク競馬場の改修工事でアケダクト競馬場で開催された63年から67年以来で、2400メートル以外で行われるのはコロナ騒動で3冠スケジュールが大幅に変更になった20年(3冠最初のレースとしてダート1800メートルで施行)に次いで2度目。サラトガのダート2000メートル戦は「真夏のダービー」の異名を取り、近年では真の3歳最強馬を決めているG1トラヴァーズS(8月24日)と同じです。 今年のベルモントSは10頭立てになりました。 3冠すべてに出走となったのはG1ケンタッキーダービー(ダート2000メートル)に優勝し、G1プリークネスS(ダート1900メートル)でシーズザグレイの2着したミスティックダン(父ゴールデンセンツ)の1頭だけ。ケンタッキーダービーから直行するのはシエラレオーネ(父ガンランナー)など4頭となっています。 前売り1番人気はケンタッキーダービーの鼻差2着から臨むシエラレオーネ、2番人気は3月のデビュー戦を約14馬身差で勝ち上がり、ケンタッキーダービー当日にチャーチルダウンズ競馬場で行われた一般戦(ダート1700メートル)を7馬身半差で逃げ切って無傷の2連勝で挑むマインドフレーム(父コンスティチューション)。2冠をめざすミスティックダンはハードスケジュールが心配されて3番人気にとどまっています。 トラヴァーズSには1日のG1英ダービー(芝2410メートル)を制したシティオブトロイ(父ジャスティファイ)の緊急参戦も噂されていて、これが実現すればベルモントSの勝ち馬に加えて1番人気だったプリークネスSを熱発で回避して来月20日のG1ハスケルS(ダート1800メートル)での仕切り直しが予定されるムース(父グッドマジック)が迎え撃つ“ドリームマッチ”となりそうです。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)