「あの人と比べて私は…」自分以外の人間が幸せそうに見える、3人のワーママそれぞれの苦悩【書評】
主人公の3人も、母の言動に蝕まれたり励まされたりしながら人生を生きている。ピンチのさなか、彼女たちに一歩進む力を与えたのは記憶の中の母の姿だった。母親の強さが、弱さが、彼女たちを変化させる糧となっていく。
三者三様のやり方で己の殻を破った雪・涼香・楓。「羨ましい」から始まった関係は、やがて爽やかな結末を迎える。3人それぞれの見せ場がしっかりと描かれ、1巻完結ながら充実した読後感に浸れるのも魅力的だ。 彼女たちが抱える悩みの数々は、多くの人が共感するに違いない。ぜひ「うんうん、そうだよね!」と頷きながら読み進めてもらいたい。 文=ネゴト/ あまみん