岡本和真、万波中正、今宮健太…「夏の甲子園」のマウンドに上がったプロで活躍中の“強打者”
甲子園でリリーフとしてマウンドに上がった巨人・岡本和真
一方、巨人の4番打者・岡本和真も、智弁学園時代は高校通算73本塁打を記録した全国屈指の強打者ながら、試合展開によってはリリーフも務める投打二刀流だった。 2014年のセンバツ2回戦、佐野日大戦では、同点の9回から3番手として甲子園初登板。田嶋大樹(現・オリックス)と投げ合い、延長10回無死満塁から2者連続三振を奪う力投を見せるも、直後に左前サヨナラタイムリーを許し、負け投手になった。 そして、同年夏の1回戦、明徳義塾戦で再び“投手・岡本”が実現する。 2回に3点を先制される劣勢の展開で、岡本は3回2死二塁、「少しでも点差を縮めたい」と岸潤一郎(現・西武)から痛烈な左前タイムリーを放ち、勝利への執念を見せる。 智弁学園は7回までに1点差に追い上げていたが、投手陣が踏ん張れなかった。明徳義塾は、7回に1点を追加したあと、ダメ押し3ランで5点差とリードを広げた。 岡本自身も「覚悟を決めた」敗戦濃厚となった場面で、3番手としてマウンドに上がる。 2死無走者から次打者を遊ゴロに打ち取り、悪い流れを1度は断ち切った岡本だったが、続投の8回、先頭打者への四球をきっかけに、3番・岸のタイムリーなど3連打でダメ押しの2点を献上。最速140キロをマークも、勢いづいた明徳打線を止められず、1年生・村上頌樹(現・阪神)にマウンドを譲ってファーストに戻った。 最終回、智弁学園は、広岡大志(現・オリックス)の左越えソロで1点を返したものの、4番・岡本まで打順が回ることなく、4対10で無念の敗戦……。 「ベスト4以上に行きたい」とチームの甲子園最高成績(当時)超えを目指しながら、まさかの初戦敗退に終わった岡本は「悔しいしかないが、甲子園で終われて良かった。いつもはすぐ泣くんですけどね……。なぜか泣けない」と不完全燃焼に終わった夏を振り返った。 だが、日刊スポーツの報道(2022年10月16日配信)によると、「野手ではトップクラス。間違いなく(指名は)上位候補。きっちり両方向に打ち分けられていた。勝敗で評価は変わらない」(巨人・山下哲治スカウト部長)と、打者としての評価は折り紙付きだったという。岡本は、同年のドラフトで巨人に単独1位指名された。