海野翔太が新時代の幕開けを誓う東京ドームメイン「新日本プロレスの未来は明るいということを伝えたい」
「ザックとの試合は間違いなく新時代の象徴的な一戦になるはずです」
新日本プロレスは2025年1月4日、東京ドームで開催される『WRESTLE KINGDOM 19』にて、IWGP世界ヘビー級王座をかけたザック・セイバーJr.対海野翔太のメインイベントを実施する。さらに翌1月5日には、同会場で『WRESTLE DYNASTY』が開催され、海野がクラウディオ・カスタニョーリとスペシャルシングルマッチで対戦することが決定した。 【動画】新日本プロレス2024年下半期ハイライト<9.7山梨~12.15ロングビーチ> 新世代一番乗りで東京ドームのメインイベント出場として注目を集める海野は、試合への意気込みを語るとともに、同世代のライバルたちとの競い合いが自身の成長を後押ししていることも明かした。海野にとってプロレス人生の大一番であり、新時代の幕開けを象徴する試合となる。怪我を抱えながらも試合出場を続ける海野は、「新日本プロレスの未来を切り拓く覚悟で挑む」と意気込みを語った。 ※全2回でお届けするインタビュー前編。 『WRESTLE KINGDOM 19 in 東京ドーム』 日時:2025年1月4日 (土) 14:45開場17:00開始 会場:東京・東京ドーム ▼第9試合 60分1本勝負 IWGP世界ヘビー級選手権試合 <チャレンジャー>海野 翔太 vs <第11代チャンピオン>ザック・セイバーJr. ※3度目の防衛戦 『WRESTLE DYNASTY』 日時:2025年1月5日 (日) 11:00開場13:00開始 会場:東京・東京ドーム ▼スペシャルシングルマッチ 海野 翔太 vs クラウディオ・カスタニョーリ 東京ドームのメインイベントという重責 ―― 1月4日の東京ドームでIWGP世界ヘビー級選手権試合が決定しました。この試合への意気込みをお聞かせください。 東京ドームのメインイベントというのは、プロレスラーとして夢見てきた場所ですので正直、嬉しい気持ちもありますが、それ以上に責任の重さを感じています。会社の看板を背負うということは、一つの試合が新日本プロレス全体の未来を左右する可能性があるということ。その重圧の中で、自分が何を見せられるのかが問われていると思います。ザックとの試合は間違いなく新時代の象徴的な一戦になるはずです。僕がこの試合を通じて観客に伝えたいのは、新日本プロレスの未来は明るいということです。どんな困難があろうとも、この会社を盛り上げるという覚悟を持って、最高の試合を見せたいと思っています。 怪我を抱えての挑戦 ―― 足首の怪我が報じられていますが、現在の状態はいかがですか? 全治1カ月と診断されましたが、その間も試合を休むことは選びませんでした。怪我をした状態でどれだけ動けるのか、どんな動きができないのかを把握することが、東京ドームで勝つためには必要だと思ったからです。 会社からは休養の提案も受けましたが、足首の状況がわからないまま大舞台に立つことのほうが不安でした。怪我の痛み止めを打ちながらでも、タッグリーグを走り抜けた経験は大きかったですし、日に日に状態も良くなっていると感じています。 ―― ファンからは怪我への心配の声も多いと思いますが、その中で試合に出続ける理由を教えてください。 プロレスラーとして、試合感覚を失うことが一番の不安です。ウェイトトレーニングやスパーリングだけでは得られない、試合特有の緊張感や厳しさがある。それを体感し続けることが、自分を保つためにも重要でした。実際、G1クライマックスではぎっくり腰や疲労骨折を抱えながらも試合をこなしました。怪我を抱えようと100%の海野翔太を出せる。自身を持ってリングに上がります。 若きリーダーとしての覚悟 ――新世代のプロレスラーとして、プロレス界には今、1,000人以上のレスラーがいる中で、東京ドームのメインイベントに立てるのは2人だけですがメインイベントに選ばれた感想をお聞かせください。 その2人のうちの1人に選ばれたということが、自分にとって大きな意味を持っていますし、すごく責任を感じますね。もちろん、自分がこれまで積み重ねてきた実績や結果が評価されたというのもあります。でも、何よりザック自身が「海野は挑戦者としてふさわしい」とコメントを残してくれたことが大きいです。今年は彼に何度も挑んできましたが、G1覇者でIWGP世界ヘビー級王者で、(プロレス大賞)MVPのザックには全て勝っているし、前IWGP世界ヘビー級王者の鷹木、SANADA、そしてNEW JAPAN CUP覇者の辻にも勝っている。文句は言わせないです。 ―― ザック選手との関係性が試合の背景としても重要になっていますね。 今年1年間、ザックとの戦いを通して自分が得たものは計り知れないです。彼が王者として僕に期待してくれている以上、それに応える責任があります。会社からもこの舞台に送り出されたということは、僕が新日本プロレスの看板を背負うに値するレスラーだと認められた証だと思います。その自覚を持って、責任とプレッシャーに打ち勝ちたいですね。 ―― 新世代の代表としてどのような未来を描いていますか? これまで自分は "逆風" にさらされることも多かったです。それでも、そのすべてを乗り越えてきた自負があります。そして今回、新世代一番乗りとして東京ドームのメインイベントに立つことで、新たな道を切り開けると信じています。同世代の選手たちと熱い戦いを繰り広げながら、新しいプロレスの未来を築いていきたいですね。 ―― 東京ドームのメインイベントは新日本プロレスの未来を背負う舞台です。その覚悟はどのように育まれてきたのでしょうか? これまでのキャリアの中で、何度も壁にぶつかりました。しかし、そのたびに成長し、経験を積んできたことが今の自分を作っていると思います。東京ドームのメインイベントに立つ責任は計り知れないものですが、そこに立つ以上、自分が新日本プロレスの顔として恥じないパフォーマンスをするつもりです。この試合を成功させることで、同世代の選手たちにも刺激を与えたい。そして、5年後、10年後の新日本プロレスがさらに発展している姿を見たいと思っています。そのためには、僕自身がまず最高の結果を残すことが求められています。この2連戦で必ず結果を出し、ファンの皆さんの期待に応えたいと思っています。1月4日、そして5日、ぜひ僕たちの戦いを見届けてください。 ブーイングについて ――ブーイングを受ける現状について、どのように感じていますか? 両国大会でブーイングがあったのは事実ですけど、それ以外はほとんどなかったんですよね。大阪大会で挑戦表明したときに一時的に起きたもので、普段の試合やタッグリーグ戦ではむしろ応援の方が多いです。だから、あのブーイングは“実績もないのにドームのメインイベントは早いんじゃないか”という声だと受け止めています。実際、記事で面白おかしく取り上げられることも多いですが、僕はそこに振り回されるつもりはありません。グッズを買ってくれたり、ピンクのペンライトを振ってくれたり、手作りのベルトをプレゼントしてくれる子どもたちもいます。そういう応援が僕にとって何より大切です。ブーイングをはねのけたいというのは、個人の感情に過ぎません。重要なのは、それが会社やプロレス界にとってプラスになるかどうか。そして、応援してくれるファンの期待に応えることだと思っています。 ――ブーイングを受けること自体に、どのような意味があると考えていますか? 歴代のトップ選手も通ってきた道ですよね。それを乗り越えてこそ、真のトップになれるんだと思います。僕も、いずれはブーイングしていた人たちを振り向かせて、応援に変えてみせるつもりです。“全部手のひらを返させててやるぞ”って気持ちで、堂々と進んでいきます。 ――東京ドームのメインイベントに向けた覚悟を教えてください。 僕に期待を寄せてくれるファンがいる限り、その思いを背負ってリングに立ちます。そして、IWGP世界ヘビー級王座に挑むという大きな舞台に立つ以上、その責任と自覚を持って戦います。 ――これからの展望はいかがですか? 僕は自分の道を進むだけです。一歩ずつ前に進んでいきます。どんな反応があろうとも、それを力に変えて、プロレス界の未来を切り開いていきたいと思っています。