タモンズ、夢破れた今も燃え続ける漫才への情熱「くすぶり方には自信がある」 『くすぶりの狂騒曲』で振り返る過去
■『THE SECOND』で話題も今はあくまで劇場 単独ライブの客数を「どこまで人数を増やせるか」
――話は変わりますが、今年5月の『THE SECOND』で大きな話題となりました。反響はいかがでしたか? 【安部】SNSは、「シャバドゥビタッチヘンシーン」の文字が飛び交ってましたよ。別に下心は一切なかったんですけど、東映さんもバンダイさんからも何もなかったですね(笑)。そんなに甘くなかったです。 【大波】でも、知ってくれる人の数は増えましたね。 ――ずっと『M-1グランプリ』を目指し続けて、その夢が破れて、また『THE SECOND』という新たな目標ができたことに対するモチベーションの変化は? 【大波】『M-1グランプリ』ラストイヤーの2年前にトリオになるみたいな話があった。それで踏みとどまったのが、あと2回の時だったんです。あと2回を全力でやるって決めてやって、届かなかったんですけど、この2年の漫才が自分の中で納得がいってて。なんで落ちたのか、正直わからない感じで。この感じでネタをやっていったら、もちろん賞レースはないですけど、お客さんは増えるだろうなと思った。『M-1グランプリ』がなくなって「あ~」とは思ったんですけど、別に絶望とか全然なくて。この調子で漫才していったら、行けそうだな、という感じの時に「全国ツアーやろう」となった。お金貯めて全国回ってる時にたまたまで『THE SECOND』ができた。夢が新たにできた、というのも特になかった。『M-1グランプリ』が終わった時に「単独ライブのお客さんを増やす」ということが話し合いで決まった。それの延長線上にあったっていう感じですね。 【安部】「1回コントもやろうか」となったんですよ。漫才のお客さんを増やすために。『キングオブコント』で、例えば準決とか決勝とか、もし行けたら「タモンズを見に行ってみよう」という理由で単独のお客さん増えるんちゃうかみたいな。それでコントの単独をやったりして。で、それと同時に、僕らが『M-1グランプリ』落ちた瞬間に、プロデューサーXさんが「お前らはその吉本の寄席に呼んでもらえる芸人になりなさい」と言われたんです。人気者というよりか、寄席に入れば確実に笑いは取ってくれる枠が絶対劇場は必要。「そこをお前ら目指せばいいんじゃない」と言ってもらえたりした。コントもやりつつ、寄席に呼ばれる芸人を目指した。それで両方走らせながらやれればなと思ってたんですよね。そこに『THE SECOND』ができた。「絶対、こっちのが燃えるやん」みたいな。「よっしゃ!」という感じでしたね。 ――第1回は囲碁将棋さんが爆発的な笑いを取りました。大宮セブンにも大きな影響があったと思います。 【大波】そうですね。めちゃくちゃお客さんが増えたと思います。囲碁将棋さんが連れてきましたね。僕らはその年はベスト32で負けちゃった。負けてから、ずっと全国ツアーを月2ヶ所ずつぐらい回ってた。負けてからは来年の『THE SECOND』もちょっと頭の片隅に入れながらいたから今年は決勝のベスト4まで行けたのかなとは思います。けど『THE SECOND』中心という感じではないんですね。 ――今後のタモンズの目標は? 【大波】集客ですね。自分らのイベントを、例えば60分漫才とか、単独ライブといった僕らしか出ないイベントで、どこまで人数を増やせるか。オードリーさんは東京ドームを埋めてますからね。同じ人間2人でMAXが東京ドームやったら、俺らが人生かけて何人まで行けるのか興味ありますね。 【安部】メディアとか、賞レースは自分たちの力以外のとこもある。やっぱり自分らの目の前のお客さんを満足させることに集中したいですね。 ――大宮セブンとしての目標も何かあれば。 【大波】大宮セブンの目標は、誰かが死ぬまでやることですかね。70歳ぐらいになったら誰か1人ぐらい死ぬと思うんで。お葬式とかできたらめっちゃいいよね。パンイチお焼香選手権とか。 【安部】ご遺体モノボケとかね。それに参加したいんで長生きしたいです。 【大波】最初にはなりたい。まぁ村氏あたりじゃないですか、やっぱり体型的に(笑)。