令和の時代の新しい代替バス・日田彦山線BRTの存在感が別格すぎる!!
■遠いけど乗るのはラクラク
小倉から日田彦山線BRTに乗ろうとするなら、まずは普通に駅から日田彦山線の列車に乗って、鉄道区間の現・終点である添田駅まで行く。 出発する時刻にもよるが、所要時間は1時間20分ほど。ちょっと奥の方まで行かないと乗れない代替バス、というわけだ。 列車に乗ったまでは良いものの、駅に着いたら着いたで全然バスがなく、えらく長い待ち時間が生じてしまう、なんてケースは鉄道代替バスにはよくある話だ。 日田彦山線はローカルだし、お定まりのパターンなんじゃないの?と考えたくなる。しかしこの路線は「BRT」の名を冠しているだけあって心配無用。 BRTには国が定めている定義があり、その中に「利便性」が含まれている。他の乗り物とスムーズに乗り継ぎができるよう工夫していることが、BRTを名乗る条件の一つなのだ。 日田彦山線BRTはどの列車で添田駅まで行っても、大体10分前後で列車とバスの乗り換えができるよう出発時刻を合わせてあるため、行くまでは遠いが乗るのは大変ラクだ。
■中型路線車がBRTのアイデンティティを守る?
日田彦山線BRTといえば、中国製の小型電気バスを投入しているのが特徴の一つ。とはいえ当日やってきたのは、ごく一般的な日本製ディーゼル中型路線車のいすゞエルガミオだった。 この日は土曜日で、観光客を中心にそれなりの利用があった。BRTの定義には「輸送力」も含まれている。 これが欠けるとBRTを名乗れなくなってしまうので、小型電気バスでは輸送力が不足しそうな日には定員に余裕のある中型路線車を出して、BRTの定義を遵守している、ということのようだ。
■最強のアクセスルートで本領発揮
BRTの定義にある「速達性」と「定時性」。この2点は日田彦山線BRTの得意分野だろう。同路線の最大の特徴が、線路だった場所を整備したバス専用道路を通る点だ。 添田から乗ると、しばらくの間は線路跡の近くを沿うようにして一般道を通り、途中で専用道路に入り、彦山~宝珠山およそ14kmの区間を走行する。 専用道路には鉄道時代の駅ホームが残されていたり、鉄のレールが敷かれていた痕跡が、車内からでもまじまじと見て取れたりするのがユニーク。 踏切に相当する場所もあり、専用道を横切る車両や歩行者ではなく、バスのほうが一旦停止する、鉄道時代と主従関係が逆転しているところも面白い。