同ラインでも作る冷蔵庫の種類が違う!? パナソニック草津工場へ「品質へのこだわり」を見にいった
フードロスを削減するために「AIカメラ」を搭載
工場の製造工程におけるものづくりのこだわりについて紹介してきましたが、続いてはパナソニックの冷蔵庫の強みとして挙げられていた「社会・環境への貢献」について紹介しましょう。 省エネの面では、2024年発売の新モデル「CVシリーズ」と「HVシリーズ」で環境負荷低減にも寄与する新ウレタン発泡剤を採用。 「温暖化係数が従来商品の約10分の1で、部材でもCO2排出量の削減を取り組んでいます」(太田常務) フードロスの削減に向けては、2024年発売の「CVシリーズ」で「冷蔵庫AIカメラ」を搭載しました。野菜室を撮影したカメラ画像からAIが野菜を自動認識してリスト化し、アプリに登録して早く使うべき野菜やレシピを提案してくれるというものです。
カメラで認識した野菜の登録や野菜の残りの量などは手動で変更する必要があるとのことですが、肉や魚よりもロスしやすい野菜をうまく活用できるという意味では頼りになりそうです。 海外メーカーでもカメラとAIで冷蔵庫内の食品を認識するという取り組みが進んでいますが、AIで徹底的に差別化を図るつもりはないと太田常務は語りました。 「AIはあくまでもお客様の使い勝手を良くする、フードロスを削減するという視点です。他社も含めて2つのカメラで引き出しまで見られるのは我々だけで、レシピ提案まで持っていったのは世界でも初だと思います。他社がCESでイノベーション賞を授賞したものより優れたものだと思っていますので、将来的には海外にも展開していきたいと考えています」(太田常務) 今回の工場見学とセミナーを通じて、同社がいかにユーザーの使い勝手の向上に努め、安全かつ環境に優しい製品の設計・製造を追求しているかがよくわかりました。今後の取り組みにも、ぜひ注目していきたいですね。
安蔵 靖志