「望み」なのか単なる「ワガママ」なのか…「介護は子がするもの」と主張する親への関わり方 年末年始に親の意向を聞く際のトラブル回避術
女性は「父親と会話が成立しない」と、ほとほと弱っている様子でした。 ■「望み」なのか「ワガママ」なのか 人生の締めくくりを考えるとき、本人の望みはもちろん大事にしたいものですが、できること、できないことがあります。ここで多くの方が迷うのは、親が話す意向が「望み」なのか、「単なるワガママ」なのかという点かもしれません。 例えば、先ほどのように親から「介護のために仕事を辞めてくれ」と言われた場合。 受け取る子ども側が「それはムリ!」と思えば、それは親のワガママでしかありません。実際問題として、親の希望を叶えるために、自分の気持ちを押し殺して介護離職するなど、周りが犠牲になるのは違うと思います。
ただし、高齢の親をみている筆者にも心当たりがありますが、こういうワガママや無理難題が飛び出してきたときに、頭にきて、やみくもに反論してはダメです。 まずはなるべく感情をコントロールして、穏やかな口調で話すように努めること。「できるわけがないでしょ!」と突き放すのではなく、まずは一旦受け止めて、「そういう考え方なのね」と返したほうが無難です。 答えをすぐに出す必要はありません。冷静に考えたうえで、タイミングを見計らって、できること、できないことを伝えるようにしましょう。これが1つめのポイントです。
もう1つのポイントは、「きっと親はこう考えるだろうな」という期待感を持って話を聞かないことです。 いくら親子といえども別人です。しかも離れて暮らしている期間が長ければ長いほど、お互いの理解度は下がります。そこを念頭に置いて話を切り出すといいと思います。 こうした話題は、「まだまだ先のこと」と先延ばしにしたい気持ちもわかります。正月なのに不謹慎と思うかもしれません。 しかし「これからどう過ごしたいか」というテーマは、元気なときほどフラットに話せるもの。本人の意向を家族が把握できていれば、いざというときに判断するための大きな助けにもなります。