広島・赤塚 1軍登板なしのルーキーイヤーに得た課題と手応え「全部が全部ダメだった訳ではなく…」
2023年のドラフトで5位指名されカープの一員となった赤塚健利(23)が29日に静岡市駿河区の草薙球場で行われた「静岡県人会野球教室」に参加した。8球団12人のプロ選手によるイベントは8年連続8回目の開催となる年末の恒例行事で赤塚は初参加。 地元の少年野球チームの子どもたちの「どうすれば速い球を投げれますか?」という問いに「下半身もしっかり意識して」と身振り手振りも交えながら笑顔で指導。参加した他球団の選手からも「大きいなぁ」などとイジられ、トレードマークの笑顔を全開させていた。 「野球教室自体は広島でもやったことがありますが、このような大規模なモノは初めてで、こんなに多くのファンの方が駆けつけてくれるんだなぁとビックリしました」と感想を述べ、「プロに入って色々な方と話すのですが地元の言葉はやっぱり落ち着きます」と屈託なく笑った。この日は風も強く体感温度は低かったが赤塚の心はホッコリと温かかったのかもしれない。 2024年、1軍での登板がなかった赤塚に1年を振り返ってもらうと「自分の持ってるモノが出し切れなかった」と悔しそうに述懐すると立て続けに「全部が全部ダメだった訳ではなく、自分に足りないモノが分かったのでオフに取り組む課題は明確です」と前を向いた。 195センチ113キロ。赤塚の特長は何と言っても圧倒的なフィジカルだが「両刃の剣」である事を痛感した1年だったという。 「パワーがある分、どうしても力だけで行ってしまう。上手くいかなかった時、パワーでしか立て直せないのが一番の課題です。1年でも長く野球をして安定した成績を残すには技術がないとどうにもならない」。決して雄弁とは言えないロマンあふれる未完の大器が次々に発したパワーワード、決して平坦な道のりではないと思うが来年こそはマツダスタジアムのお立ち台で屈託なく笑うその笑顔を見たいと思う。 (長嶋 久樹)