街中でよく見かける赤い自転車「バイクシェアサービス」が累計利用1億回を突破! 成功理由を聞いた
利用状況をAIで学習、運営コストの高い再配置業務を効率化
現状のバイクシェアサービスの会員属性は7:3で男性が多く、男性の30~40代が全体の約4割を占めている。通勤での利用が目立ち、平日の8時前後と18時前後に利用回数が増える傾向があるそうだ。 ┌────────── 月額会員になると1ヵ月3,300円(東京都の価格)で、1回30分以内の利用は乗り放題になります。自宅から職場まで自転車で30分以内の距離にあるような方は、月額会員になって毎日のように利用されていますね。通勤にかかる交通費を削減できる、気分転換やエクササイズになるといった動機でシェアサイクルを選ぶ方が多いです(大橋氏) └──────────
シェアサイクル事業の肝になるのは、こうした利用用途を踏まえて自転車を適切に配置し、安全に乗車できる状態を維持しておくことだ。バイクシェアサービスでは、返却された自転車を適切なサイクルポートに戻す「再配置業務」を、パートナー企業に委託して日々行っているという。
┌────────── 再配置は、最も運営コストが高い業務です。2018年からはAIを導入し、定期的に利用状況のデータをAIに学習させて再配置を効率化しています。どのサイクルポートに何台補充するといいかというレコメンドが示されるので、経験値が低い人が担当しても一定の品質を維持できます。ただ、イベントや天気の情報などは反映されていないので、その点は人の経験に頼らざるを得ません(大橋氏) └──────────
自転車のメンテナンスにおいては年に1回の定期点検を実施しているが、通常の自転車よりも利用頻度が高い分、故障しやすくなる。利用者からの報告を受けるなどして故障や不備を把握し、その都度、タイヤやブレーキの修理、部品の交換といったメンテナンスを実施しているという。
「NAVITIME」や「ジョルダン乗換案内」など、他社との連携で利用者の利便性向上
バイクシェアサービスが累計利用1億回を突破できた背景には、他社が提供するさまざまなサービスとの連携もある。たとえば、「NAVITIME(ナビタイム)」や「ジョルダン乗換案内」などの交通系サービスでは、シェアサイクルを利用した場合の経路が検索できる。