事件多発の今こそ知りたい! これが「強盗に狙われやすい家」だ!
――では、もし強盗に入られてしまったら、どうすればいいのでしょうか? 松丸 まず、窓が割られたり、ガシャガシャと玄関のドアを開ける音がして、今、まさに侵入が始まっている段階の場合、もし勝手口から逃げられる余裕があれば外に逃げてください。 次に、逃げる余裕はないけれども、まだ犯人と対面していない場合は、携帯電話を持って寝室などに逃げ込んで鍵をかけます。 その逃げている間に警察に連絡をするか、寝室でひっそりと110番通報します。警察の通信指令室には携帯電話の番号しか表示されませんから、「千代田区神田神保町○丁目△番□号の○○です。強盗です。助けてください」と言って、つなぎっぱなしにします。 日本の警察は110番通報から平均約8分で現場に到着しますから、その8分間なんとか持ちこたえるのです。 鍵をかけて寝室に潜んでいると強盗がやって来て「おい、出てこい!」などと言って、ドアをガチャガチャやるでしょう。それでも出ていかなければ、「こいつはほっておいて、金目のものだけ持っていくぞ」と逃げてくれればひと安心です。 ですから、寝室などは二重ロックにして、扉を頑丈なものに替えておけるならば、それがベストです。こうした危険なときに逃げ込める部屋を「パニックルーム」と呼びます。海外などではパニックルームを造っている家も多いです。 そして、もし寝室の扉を破壊されて中に入ってきたら、絶対に抵抗しないでください。犯人が「金はどこにある?」「カードの暗証番号を教えろ」と言ってきたら、絶対に嘘はつかないでください。 嘘をつくと、暴行されたり殺されたりします。これは海外では常識です。旅行者などが誘拐されて犯人グループと一緒にATMに行って、限度額まで全部お金を下ろさせる犯罪がよくありますが、この場合、嘘をつくと危害に遭うのです。 犯人は犯罪がスムーズにいくことが重要です。人生をかけた計画を邪魔しないことが重要です。お金を渡した後に絶対に殺されないという保証はありませんが、犯人は殺人をすれば罪が重くなることもわかっているのです。 素直にお金を渡して、早く解放してもらうことを最優先してください。 * * * 頻発している強盗事件。まずは、狙われない家にするための対策が急務のようだ。 取材・文/村上隆保 イラスト/はまちゃん