ついに杉田水脈議員も刑事告発 「裏金は杉田氏個人の収入の可能性。検察は捜査を尽くすべき」と専門家 会合費はスナックなど飲み屋がずらり これがその報告書だ
◆「裏金上位ランカー」で役職停止半年処分
政治団体「杉田水脈なでしこの会」(以下、「なでしこの会」)が安倍派(清和政策研究会)から2018年以降に1564万円キックバックを受けていたにも関わらず、政治資金収支報告書(以下、収支報告書)に記載しなかったなどとして杉田水脈衆議院議員(比例中国)ら3人が政治資金規正法(以下、規正法)の不記載などの罪で4月22日、刑事告発された。杉田議員は自民党から半年間の役職停止処分を受けている。(フリージャーナリスト・鈴木祐太) 【写真報告】これが政治資金報告書と「文通費」領収書だ。橋下徹、維新清水参議員などの実物公開(7点)
◆収支報告書の訂正こそ「裏金の自白だ」
刑事告発したのは上脇博之神戸学院大学教授だ。告発状によると、「なでしこの会」は安倍派の政治資金パーティの収入から、18年に340万円、19年に352万円、20年に318万円、22年に554万円のキックバックを受けていた。しかし、それを収支報告書に記載せず裏金として処理をしていたとしている。 「なでしこの会」は、安倍派などの自民党派閥の政治パーティ券収入の不記載事件が明るみになった後の今年1月31日になって初めて、収支報告書を訂正した。なぜ刑事告発したのか。上脇博之神戸学院大学教授は次のようにコメントした。 「1月の訂正は、『杉田議員による裏金収入と裏金支出の自白である』と判断し、時効の完成した2018年分を除き規正法違反の不記載罪や虚偽記入罪で、4月21日に告発状を東京地検に郵送しました」
◆スナックや居酒屋の支出がずらり、しかも宛名が空欄の領収証ばかり
「なでしこの会」は、安倍派からのキックバックがあったことを訂正しただけでなく、支出についても訂正を行っている。自動車税や講師料、会合費など多岐に渡る支出が訂正されたが、やはり目を引くのは「会合費」。その多くは、杉田議員が主に活動している山口県防府市のスナックや居酒屋、バーで支出されている。飲み屋で政治活動をしていたとは、とても考えにくい。 4月18日の「しんぶん赤旗」によると、「なでしこの会」が1月に収支報告書を訂正した際に追加した22年分の会合費9件全ての領収書に宛名がなかった。また20年分では宛名がないものが1件、「杉田水脈様」となっているものが1件あった。宛名がない領収書では、本当に「なでしこの会」が支出したものかどうか、確認ができない。一連のパーティ券問題が発覚したため、慌てて領収書をかき集めたのではないかという疑念がわく。
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