大谷のメジャー正式挑戦表明を受け米では早くも二刀流の是非が論争に
日ハムの大谷翔平の正式なメジャー挑戦会見のニュースは米国のメディアでも大々的に取り上げられた。 大谷は、都内で行われた会見で「(二刀流のできる)環境があるかないか」としながらも「メジャーでの二刀流続行希望」を口にしたが、早くもメジャーで二刀流が可能かどうかの議論も起きている。 米ヤフースポーツ内の「Big League Stew」では、「大谷翔平は二刀流を希望―大リーグチームは望むだろうか」との見出しのブログ記事が掲載された。 日本時間の土曜に大谷が会見し、大リーグ挑戦を発表、その機会を求めたモチベーションを語り、またキャリアの目標を明かしたことを紹介した上で、二刀流の是非に触れた。 「大谷に関しての最も大きな話題は二刀流としての能力だ。一般的な考えでは大リーグは投手、打者のどちらかに専念させたいだろう。そして投手としての方が魅力的とされている。大谷は、大リーグで二刀流を続けたいとしているが、各球団が、どのような考えを持っているかを聞く考えも持っている」と報じた。 また今後の交渉のポイントとして、 「大谷が二刀流選手としてフルタイム、もしくはパートタイムを希望するかが契約する上で大きな鍵となる。金額が最大の焦点でない以上、大谷を満足させ、チームも、二刀流について吟味した上で妥協点を見つけることができる柔軟性が求められる」、今後の展開を推測した。 だが、大谷が今季故障に苦しみオフに足の踵の手術を行った現状を「彼は、賞を勝ち取っても怪我が明らかに数字に影響を及ぼした」と指摘、そのことがメジャーでの二刀流続行のための障害になっているという考えも記された。 「大谷と契約する球団は、シーズンを通しての活躍を期待するため、今の段階では二刀流を目論むことは難しいだろう。大谷の怪我は、来シーズン開始までに回復するという良いニュースもあるが、それが週4、5回試合で起用できるということにはつながらないだろう」 ただ大谷が「謙虚な人間性である」と説明。「二刀流は、彼の希望としても、それを騒ぎ立てることはしなそうだ」とも付け加えた。そして、「ブライス・ハーパーやマイク・トラウトがいて、また片やクレイトン・カーショーやジャスティン・バーランダーと対する大リーグで、自分の機会と役割を得る必要があるということを彼は理解している」と続けた。 記事は、「我々は大谷を嫌うことは不可能だ。彼の素晴らしい才能を見る日が待ち遠しい」という言葉で締めくくられている。 NBCスポーツも、「大谷翔平『自分はまだ不完全は選手』」との見出しで記事を掲載。 記事の中で、「この冬、すべてがうまくいったとしても大谷にもう1つの疑問が残る。彼は大リーグでも投手、打者としての二刀流を極め続けたいのか。もしくは、新しいチームでは1つに絞ってキャリアを磨くのだろうか」と メジャーでの二刀流是非を論じた。 しかし、その大谷のロマンについて決して否定的ではなく、「フィールドのどこでプレーすることになっても、大谷は自身を『まだ不完全な選手』と記者に語るように向上心がある。この思いが大リーグ移籍へ彼を押し続けてきた」と理解を示した。今後、大谷との交渉に乗り出す球団の考えも含め二刀流を容認するかどうかが大きな論争に発展しそうだ。