経営者1000人に聞いた人手不足の原因、3位給与や待遇の見劣り、2位求職者が少ない、1位は?
人手不足解消に向け約3割が「対策できていない」と回答
人手不足が倒産リスクにつながると思う経営者が多いことが示されたが、では、人手不足を解消するためにどのような対策を行なっているのだろうか。 「人手不足の問題の解消に向けて、どのような対策を行っていますか?(複数回答可)」と質問したところ、『給与や待遇の見直し(39.1%)』と回答した人が最も多く、次いで『対策できていない(26.0%)』『多様な人材の活用(フリーランスや派遣、シニアなど)(22.8%)』となった。 約4割が「給与や待遇の見直し」を図り人材の引き留めや新たな雇用の促進を行なう一方で、3割は「対策できていない」と回答。十分な解決方法が見つけられなく、余裕がない状況であることが推察できる。 他にも、一時的な人手不足には対応できる「多様な人材の活用」も進められていることが判明した。 では、「給与や待遇の見直し」を行なっている経営者は、その費用を補うために商品やサービスなどの値上げを行なったのか? 前述の質問で「給与や待遇の見直し」と回答した方に、「給与や待遇の見直しに伴い、商品やサービスの値上げを行いましたか?」と質問したところ、『値上げした(42.0%)』『値上げする予定(31.0%)』『値上げの予定はない(26.2%)』『値下げした(0.8%)』という回答結果になった。 「値上げした」「値上げする予定」という回答を合わせると、約7割の方が社員の給与や待遇の見直しに伴って商品やサービスの値上げをする傾向にあることが示された。 世の中の値上げが行なわれているのは、原料の高騰などのインフレの影響だけではなく、労働条件などの見直しにより人材不足を補うためでもあるようだ。 ■これからの人手確保の課題 経営を続けていくには、人手不足といった課題を少しでも改善しなければならないが、今後の人材確保については、どのような懸念があるのか? 「これからの時代の人手確保についてどのような懸念がありますか?(複数回答可)」と質問したところ、『雇用コストの増加(44.7%)』という回答が最も多く、次いで『人材のスキル不足(35.1%)』『人材の定着の難しさ(33.4%)』となった。 約半数が、今後の人材確保について雇用コストの増加を懸念していることがわかる。 また、せっかく人材を採用して確保できたとしてもスキル不足や、定着の難しさについても懸念している人が多い傾向も示された。 最後に、「人手確保のしやすさは、事業を選択するうえで重要な要素だと思いますか?」と質問したところ、『とても重要(38.6%)』『やや重要(44.6%)』『あまり重要ではない(11.4%)』『全く重要ではない(5.4%)』という回答順に。 約8割が「とても重要」「やや重要」と回答したことから、人手確保の容易さは事業選択において重要な要素だと思う経営者が多いことが判明した。