大丸松坂屋百貨店 岡崎路易氏「メタバースはまだまだ成長中、黎明期真っ只中である」
2024年のマーケティングおよびメディア業界は、テクノロジーや市場環境の急速な変化を受け、これまでの慣習や枠組みに頼らない柔軟なアプローチが求められるようになった。7月に発表されたChromeにおけるサードパーティCookie廃止の撤回をはじめ、AI活用が実践フェーズに突入したことでデータドリブンな戦略がさらに重要視されるなど、手法が大きな転換期を迎えたことは明らかだ。 こうしたなか、Digiday Japan恒例の年末年始企画「IN/OUT2025」では、当メディアとゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブにアンケートを実施。2024年をどのように総括し、2025年に向けてどのような挑戦と成長のビジョンを描いているのか、その想いに迫った。 株式会社大丸松坂屋百貨店で、DX推進部デジタル事業開発担当部長を務める岡崎路易氏の回答は以下のとおりだ。 ◆ ◆ ◆
──2024年のもっとも大きなトピック・成果は何ですか。
当初はB2Cビジネスとしてエンドユーザー向けのアバター販売から開始したメタバース事業から、メタバース進出支援を検討する企業のコンサルテーションを行うB2B事業へと進化させることができました。 また、メタバース参入企業や、今後参入を検討している企業・団体の担当者同士がつながることで、メタバース経済圏の発展につながると考えました。そこで、2024年5月にMBS(Metaverse Business Society)を立ち上げ、参加企業・団体の皆さまとともに、メタバースのビジネス活用の可能性を探るコミュニティとして運営を開始しました。 メタバース参入企業がノウハウや知識を持ち寄り、メタバースのビジネス活用を探求することで、MBSのネットワークをさらに広げ、市場の活性化と「幸せ溢れる仮想社会の創造」につなげることを目指し、第1回MBSサミットを開催しました。
──2025年に向けて見えてきた課題は何ですか。
メタバースのバズワードによる功罪。 数年前にメタバースという言葉がバズワードとなり、その恩恵として市場への理解が大幅に促進されました。一方で、その後の幻滅期に「メタバースはオワコン」と言われることも多くなりました。しかし、主要なメタバースプラットフォームは数年前から成長を続けており、2024年もその成長は鈍化していません。まだまだ成長中であり、黎明期真っ只中であるということを世の中に広める必要があります。
──2025年にチャレンジしたいことを教えてください。
2024年は、先行するインフルエンサー事業とメタバース事業を共同運営できるように改革を行いました。2025年はこれらを発展させたVTuber事業の推進をしていきたい。さらに、インフルエンサー、イラストレーター、CGデザイナー、VTuberといったクリエイターだけでなく、さらにもっと幅広いクリエイターたちと一緒に仕事をしていきたいです。 ・年末年始企画「IN/OUT 2025」の記事一覧
編集部