ホンダ:好スタートで決勝での入賞の可能性を見せたミル「1周目はとても力強かった」/MotoGP第18戦タイGP
10月26日、2024年MotoGP第18戦タイGP MotoGPクラスのスプリントがブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットで行われ、レプソル・ホンダ・チームのジョアン・ミルは13位、ルカ・マリーニは19位でフィニッシュした。 【写真】ルカ・マリーニ(レプソル・ホンダ・チーム)/2024MotoGP第18戦タイGP スプリント ヨハン・ザルコ(ホンダ・カストロールLCR)は12位でホンダ勢トップ。中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は18位で2日目を終えた。 2日目最初の走行セッションであるフリー走行2回目は、気温29度、路面温度38度で始まった。ホンダ勢は、ミルと中上がソフト/ミディアム、マリーニとザルコがハード/ミディアムでコースインし、予選やレースに向けてタイヤの評価を行った。 後半には、ミルがソフト/ハードの組み合わせを試し、1分30秒514で12番手タイムを記録。中上が16番手、ザルコが17番手、マリーニが19番手と続いた。 予選Q1に挑むのは、ザルコを除いた3人のホンダライダー。中上はソフト/ミディアム、レプソルのふたりはハード/ミディアムを選択した。1回目のアタックで中上が1分30秒106のラップタイムで5番手。マリーニが1分30秒238で6番手に続く。ミルはラップキャンセルがありつつ、1分30秒426で9番手に位置していた。 Q1最後のアタックでは、中上が1分29秒903、ミルが1分30秒045とタイムを縮めた。しかし、他のライダーがより大きくタイムを更新し、中上は18番手、ミルが19番手となった。マリーニは2回目のランでタイムを更新できず、21番手で予選を終えた。 予選Q2へダイレクト進出したザルコは、ハード/ミディアムでコースイン。最初のアタックでは、1分30秒170の11番手タイムを記録した。2回目のランでは、1分29秒797にタイムを上げたものの、最終アタックで1コーナーで転倒。最終的に12番グリッドを獲得した。 午後のスプリントは、ホンダ勢全員がハード/ミディアムを選択。スタートでは、ミルが19番グリッドから17番手へ浮上。その後もポジションを上げていき2周目には13番手に躍り出た。12番グリッドからスタートしたザルコは、オープニングラップの最終コーナーでトラブルが発生した前のライダーの影響を受けてしまい16番手まで後退。 中上は、1周目で15番手に浮上するも、集団で進入した4コーナーで18番手に戻した。マリーニは、ポジションを維持し21番手で2周目に入った。 4周目にザルコがミルの後ろにつくと、ジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)やアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)を交えながら、バトルを繰り広げた。 残り3周でザルコがミルをオーバーテイクし、12番手に浮上。ふたりのバトルは最終周まで続くもザルコが抑え、12位でチェッカー。続くミルはその0.721秒後方の13位となった。 中上はスプリントを通して、アレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)やアウグスト・フェルナンデス(レッドブルGASGASテック3)と争い続けた。スプリント終盤には、マリーニも中上の真後ろにつけ隙を伺う。だが、中上は抑え切り18位、マリーニは19位でスプリントを終えた。 スプリントで見せたスタートは入賞の可能性を示している。決勝でも後方のグリッドからポイント獲得を狙うホンダ勢の走りに注目したい ■ジョアン・ミル(予選:19番手、スプリント:13位) 「今日のスプリントは本当に楽しかった。ブレーキングでかなり挽回できたし、クアルタラロやジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)と言ったライダーとたくさんの良いバトルができた。1周目は特に良かったし、とても力強かった」 「もちろん、予選によってすべては複雑になった。これは今シーズン何回も起こったことだ。朝のフリー走行2回目では本当に良い感触だったのに、予選Q1でのニュータイヤは僕らを苦しませて後方からのスタートになった。19番手からトップ10に迫り争うことは、僕らがフォーカスしなければならないことだ。トップ10を巡ってバトルできたことはハッピーだよ」 ■ルカ・マリーニ(予選:21番手、スプリント:19位) 「今日は今シーズンで最高の日にならなかった。金曜から土曜までレベルは変わらなかったし、ニュータイヤを履いてもそこまでパフォーマンスを上げることができなかった。過去のレースではもっと競走力があったし、今日のミルとザルコはペースが良かった。だから、いくつか違うことを試す必要がある」 「今週末にマシンに施したセッティングの実験は、正しい方向ではないことを示していると思う。明日は“スタンダード”なセッティングでもっと競走力を上げて、チームメイトと戦いたいね」 ■ヨハン・ザルコ(予選:12番手、スプリント:12位) 「今日はスタートがうまくいったけど、前にいたライダーにトラブルが出て順位を挽回できなかったのはアンラッキーだった。グリップ不足に悩まされ、コースのコンディションも違っていたので、厳しいスプリントになってしまった」 「課題は多いけれど、僕はポジティブなままだ。ラップタイムは接近しているし、日曜日のレースに向けて解決策を見つけることができると確信しているよ」 ■中上貴晶(予選:18番手、スプリント:18位) 「予想していたようなスプリントではありませんでした。1周目からフロントタイヤのフィーリングが変わってしまい、マシンを快適に走らせるのに苦労しました。いい仕事ができるポテンシャルがあっただけに今日のパフォーマンスは残念に感じています」 「今はスプリントのデータをチェックして、明日のレースに向けてどう改善していくかを考えています。ペース自体は良かったので、トップ10までの争いに加わるチャンスはあると思います。僕たちは日曜を見据えています。タイヤマネージメントが非常に重要になるので、それに向けて万全の準備をする必要があります」 [オートスポーツweb 2024年10月27日]