セダンでEV、ホントに日本で売れる? BYDの新型車「シール」を考える
ここまでスペックが似通ってくると、あとはデザインの好みやブランドイメージなどで判断するしかないわけだが、現時点でDセグメントのEVセダンを購入したいと考える人に対しては、シールの方が有利かもしれない。というのも、導入記念キャンペーン(1,000台限定)として特別価格が適用されるからだ。本来なら528万円のシールが、33万円安い495万円で買えてしまう。地域にもよるが、補助金をうまく活用すれば400万円台前半から最新EVのオーナーになれる可能性すらある。BYDの宣伝をするつもりはないが、ここまで安くなると選択肢に入れざるを得ないのではないだろうか。
■BYDは不安? アフターサービス体制を聞く! シールの試乗後、BYDジャパン技術部門のシニアアドバイザーに話を聞いた。まず、シールの強みは? 「バッテリーメーカーとして、バッテリーを他社よりも安価に手配できることが根底にあります。そのため、Dセグメントでは他社を凌ぐ圧倒的なコストパフォーマンスを実現できました。そこに、欧州のプレミアムカーに引けを取らない高いデザイン性、走行性、安全性が確保できていることが強みです。国産セダン市場は縮小傾向にありますが、輸入セダン市場にはシェア拡大の余地がまだまだ残っています。そこにシールを投入し、『e-Sport Sedan』というポジションを確立することで、存在感を高めることが可能だと思っています」 BYDは日本に参入したばかりということもあって、シールのスペックは気に入っているもののアフターサービスが不安で、購入を躊躇しているという人がいるかもしれない。そのあたりについても聞いてみた。 まず、現時点でBYDは全国に55カ所の拠点を構えている。ショールームを完備した販売店は30拠点だ。2025年末までには全国に100拠点のディーラーネットワークを整備し、実店舗サービスを充実させていく方針だという。目指すのは、どこに住んでいても最寄りのディーラーでアフターサービスが受けられる体制の確立だ。