【大学野球】中山太陽が文句なしのベストナイン 東大から史上2度目の3季連続受賞の快挙
リーグ8位の打率.341
東京六大学リーグ戦は、14年ぶりに優勝決定戦(11月12日)が行われ、早大が明大を4対0で下し、2季連続48度目のリーグ制覇。9年ぶりの春秋連覇で、熱戦が幕を閉じた。 閉会式終了後、6校の選手たちは、スタンドからの手拍手で退場する。セレモニーが終わると、記念撮影。一塁側のグラウンド入口付近に、188センチの大型選手が立っていた。外野手部門で、初のベストナインを受賞した中山太陽(3年・宇都宮高)である。 記者投票により、満票は16票。外野手は3人であり早大・尾瀬雄大(3年・帝京高)が最多15票を集め、中山は早大・石郷岡大成(3年・早実)と並ぶ2位タイの10票だった。 「率直にうれしいです。この秋の開幕前から大久保(裕)監督から『この秋はベストナインを狙っていけ!!』と言われていたので、その期待に応えることができて良かったです」 リーグ8位の打率.341(1本塁打、4打点)。慶大1回戦で今秋の最優秀防御率の左腕・渡辺和大(2年・高松商高)からリーグ戦初本塁打を放った。法大との3試合では11打数5安打。同3回戦では、DeNAからドラフト2位指名を受けた157キロ右腕・篠木健太郎(4年・木更津総合高)から左前打、右前打と打ち分け、バットコントロールの良さを見せた。 4カードを終えて打率.294。ベストナインを獲得するには、打率3割が最低ライン。あと一押しが必要となってくる中で、最終カードの立大戦2試合で、7打数4安打と、数字を大きく引き上げて全日程を終了した。 中山にはチームの勝利につながる一打を追い求めた上で、モチベーションがあった。1959年秋にベストナインが制定されて以降、東大の選手が3季連続でベストナインを受賞したのは、61年秋から62年秋のみ。昨秋は酒井捷(3年・仙台二高)、今春は大原海輝(3年・県立浦和高)が、ともに外野手部門のベストナインを受賞した。中山は同級生で、同じ外野手のタイトル奪取に、刺激を受けていた。 中山は打率.341、14安打。ベストナイン受賞時の酒井(打率.316、12安打)、大原(打率.333、11安打)の成績を上回り、文句なしのベストナイン選出。東大から史上2度目となる3シーズン連続受賞という、快挙を達成した。