毎日のように「顔色悪い?大丈夫?」先輩から よかれと思っての発言でも… マンガ夜廻り猫
顔色が悪いことを気にしている女性。それなのに、毎日のように隣の先輩が「顔色悪いけど大丈夫?」と聞いてきて――。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻り猫」。今回は、〝人にされてイヤなこと〟にまつわるエピソードです。 【マンガ本編】毎日のように「顔色悪い?」 気にしていると伝えても…
よかれと思って言ってるみたいだけど…
きょうも夜の街を回っていた猫の遠藤平蔵。帰宅途中の女性の涙の匂いに気づきます。 女性は「隣の先輩が、毎日のように『疲れてる?顔色悪い』って言うの」と打ち明けます。 元気にあいさつしても、メイクして黒っぽい服装をやめても、「寝た?顔色よくないね」と心配されてしまいます。 腹を割って「顔色悪いの気にしてるんですよ、でも丈夫なので」と伝えても、毎日のように言われてしまいます。 「よかれと思って言うみたいだけど、『顔色悪い』って言われて、うれしい人いる?うっかりすると『もうやめてー』って言っちゃいそう」と女性。 「この頃、ホントに顔色が悪くなった気がする……」。 遠藤は「そのガマン報われますように」リストに女性の名前を記すのでした。
人にイヤなことをしない・されないのは…
作者の深谷さんは、自身の体験を振り返りながら今回のマンガを描いたそうです。 以前、人前で理不尽に、毎日のように怒られる仕事をしたことがあるという深谷さん。帰宅すると、怒る人のまねをはさみながら息子さんにグチを聞いてもらっていたといいます。 「そんなある日、いつものようにグチり始めた私に、息子はつらそうに『口まねしないで』と言ったのです」 「聞いている方からすると、たいへん口汚く醜く、聞くのがつらいグチだったようです。人にイヤなことをしないのも、イヤなことをされたときに耐えるのも、本当に難しく、無理なことってあるなぁ……と思いました」と語っています。
マンガ「夜廻り猫」
猫の遠藤平蔵が、心で泣いている人や動物たちの匂いをキャッチし、話を聞くマンガ「夜廻(まわ)り猫」。 泣いているひとたちは、病気を抱えていたり、離婚したばかりだったり、新しい家族にどう溶け込んでいいか分からなかったり、幸せを分けてあげられないと悩んでいたり…。 そんな悩みに、遠藤たちはそっと寄り添います。遠藤とともに夜廻りするのは、片目の子猫「重郎」。ツイッター上では、「遠藤、自分のところにも来てほしい」といった声が寄せられ、人気が広がっています。 ◇ 深谷かほる(ふかや・かおる) 漫画家。1962年、福島生まれ。代表作に「ハガネの女」「エデンの東北」など。2015年10月から、ツイッター(@fukaya91)で漫画「夜廻り猫」を発表し始めた。第21回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞、単行本10巻(講談社)が2023年11月22日に発売。講談社「コミックDAYS 編集部ブログ」で月・金曜夜に連載中。スピンオフ「居酒屋ワカル」は講談社「コクリコ」で連載した単行本が11月22日に発売。