波佐見焼の新境地「白磁の動物園」79歳陶芸家が生み出す2025年の干支の置物は「愛くるしいヘビ」
波佐見焼の置物が暮らしに心に溶け込んでほしい
山下さんは佐賀県武雄市出身だ。工業高校時代に、波佐見焼を広く世に広めた陶磁器デザイナーの故・森正洋さんの指導を受けたことをきっかけにモダンな波佐見焼の虜になった。 山下さんの妻、光子さん(76)は、町内の焼き物の商社で販売の仕事をしていた経験があり、工房では梱包や発送を担当している。光子さんは「定年になって何かするだろうと思っていたけど、まさか陶芸をするとは思わなかった。でも動物の白磁は波佐見にないからいいかなと思った」と、夫の第二の人生の一番の理解者だ。 「デザインを考えるのが一番好き。毎日のように寝る前に枕元に置いてスケッチをしている」と語る山下さん。「波佐見焼の置物が、人々の暮らしや心にもっと溶け込んでほしい」という想いがある。 「山下さんの作品に絵をつけてみたい」という絵付師ともコラボの計画があり、作品を別の世界に引き立ててくれるとワクワク感が止まらない。 もうすぐ80歳になる山下さんは「発表できるチャンスがあれば発表してまだまだ楽しんでいただきたい。それが今からの夢。まだ10年くらいは頑張ろうかな」と、自身の可能性に胸を膨らませている。 (テレビ長崎)