これがジャガー? 「タイプ00」は大変革期を見据えたマニフェスト
「市場の予想を裏切る」大胆な製品戦略
ジャガーは市場の期待を裏切るのが大得意です、と言うのはスティーブンス氏。例として、1961年のスポーツカー、Eタイプをあげる。当時、誰も想像もしていなかったデザインと性能で、一大センセーションを巻き起こしたモデルだ。 「私たちは少量生産メーカーです。市場での認知度を上げるには、大胆な製品戦略が必要なのです。他のブランドとは明らかに一線を画す製品を出す必要があると思ってやっています」 ジャガーは今回のタイプ00を、12月初旬に米国で開催された「マイアミ・アートウィーク2024」で一般公開。ここでセンセーションを巻き起こして、ジャガーが変わった、と話題を提供できれば、それで目的を達成できるという考えだろう。 米テスラが販売している「サイバートラック」は平面ステンレススティールをぱたぱたと組み立てた形状だし、いまデザインの世界は、昔からの審美観から離れて、大きな変革が起きているのかもしれない。 実際に、ジャガータイプ00がどんなかたちで販売されるかは不明だけれど、ジャガーファンとしては、おおいに気になる。少なくとも、今回の“マニフェスト”はたいへんおもしろい。 文:&編集部 ■著者プロフィール 小川フミオ モータージャーナリスト クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。
朝日新聞社