白目にシミ?黒目が欠ける?「目の日焼け」の問題点 侮ってはいけない「紫外線のダメージ」を専門家に取材
翼状片は予防が大切で、瞼裂斑から進行させないことがカギとなる。 「瞼裂斑は自覚症状がなく気づきにくいのですが、鏡で定期的に観察して、白目が黄ばんで瞼裂斑がでてきたら、翼状片にならないよう紫外線対策を徹底してほしい」と、佐々木さんはアドバイスする。 白内障や老眼と、紫外線の関係についても軽く触れておきたい。 老眼は水晶体の柔軟性の低下によって、近くのものにピントが合いにくくなり、近くが見にくくなる病気。白内障は水晶体のタンパク質が白濁し、目がかすんで見えにくくなる病気だ。
通常、老眼は40歳以上、白内障は50歳以上で発症率が高まるが、紫外線によって水晶体がダメージを受け続けると、その発症年齢が早まるという。 ■紫外線の強い地域は子どもも要注意 季節だけでなく、地理的な位置によって紫外線の強さは異なる。そのため、地域(緯度)と、目の病気の発症には明確な相関関係が見られる。 特に紫外線の強い赤道に近い地域や高地では、目の病気の発症率も高い傾向にある。 日本では、沖縄、とくに西表島、石垣島などの離島で、瞼裂斑や翼状片、白内障の発症率が高いことが報告されている。本州、四国、九州地方は沖縄に比べると紫外線の量は低いが、まったく問題がない、というわけではない。やはり夏には十分な予防策が必要だ。とくに職業や趣味などで屋外の活動時間が長い人は気をつけたい。
瞼裂斑は紫外線の強い地域では10歳未満の子どもでも生じる。 金沢医科大学が内灘(石川県)、西表島、タンザニア在住の小学生を対象に行った眼疫学調査によれば、西表島や石垣島に住む小学生の瞼裂斑の有病率は高く、学年が上がるにつれその割合は高くなっている。西表島では小学6年生の約70%に初期の瞼裂斑が見られ、赤道に近いタンザニアに近いレベルだ。 ちなみに、本州の内灘(石川県)の小学生は高学年でも3.4%で、佐々木さんによると、東京の小学生もこれと同程度の発症率と予想されるそうだ。