アルバレスの放出が早く決まっていれば…… 今夏イプスウィッチに移籍したデラップの不運
注目されていたCFだが、数年で事情は大きく経化した
今夏の移籍市場でフリアン・アルバレスを手放したマンチェスター・シティ。その影響でアーリング・ハーランドの控えを任せられる選手が不在となり、セルティックの古橋亨梧がターゲットであると各メディアは報じているが、今夏イプスウィッチへ移籍したFWリアム・デラップにチャンスはなかったのだろうか。 現役時代はストークで活躍したロリー・デラップを父に持つリアム・デラップ。2019年にダービーからシティに加入し、2020年にシティでのトップチームデビューを飾っている。22-23シーズンには父がプレイしたストークにローンで加わり、37試合に出場して4ゴールを記録。翌23-24シーズンはローン先をハル・シティに変更し、31試合で8ゴールを挙げてプチブレイクを果たしている。 デラップがシティで注目され始めた20-21シーズンは、セルヒオ・アグエロの在籍最終シーズンで、トップチームではストライカー獲得の必要性が叫ばれていた。しかし、次のシーズンでストライカーは獲得せず、翌22-23シーズンにハーランドがチームに加わることになる。 ハーランドは1年目から素晴らしい活躍を披露し得点王となり、夏から合流したアルバレスも存在感を発揮。手薄だった9番のポジションが一気に潤った。 トップチームの事情が変わったこともあって、期待されていたデラップは出場機会を得られず。2シーズン連続でローンを経験し、今夏に完全移籍でシティを離れている。タイミングさえあえば、リコ・ルイスのようにトップチームで出場機会を得られたポテンシャルを持つ選手だけに、同時期にハーランドとアルバレスがいたことが悔やまれる。 今夏のアルバレス移籍に関しても、コパ・アメリカ等の国際試合が開催されたことで交渉が遅れ、移籍が決まったのはコミュニティ・シールド後の8月12日。もっと早く決まっていれば、デラップの残留もあったかもしれない。 そんなデラップはプレミアリーグ第1節のリヴァプール戦にさっそく先発しており、存在感を発揮していた。特に186cmの長身を生かしたボールキープを武器に前線でターゲットマンとなり、押し込まれるイプスウィッチのビルドアップを助けていた。 アルバレスの移籍が早く決まっていれば今季シティでプレイしていた可能性もあったデラップ。イプスウィッチとの契約には買い戻しオプションが付随しているようで、今後の成長によっては再びスカイブルーのユニフォームに袖を通すことがあるのかもしれない。
構成/ザ・ワールド編集部