2024年大活躍の陸上・北口榛花が各賞総なめ 授賞式ラッシュで「結構困っている」コトとは
【若手記者コラム】2024年も残り20日。読者の皆さんにとって、この一年はどんな一年だっただろうか。記者にとっては、パリ五輪とともに駆け抜けた年となった。海外開催の五輪では、史上最多のメダルを獲得した真夏の祭典。活躍した選手、話題となった選手らは、大会後にテレビや新聞、雑誌に引っ張りだことなった。陸上の女子やり投げで、日本勢の女子ではマラソン以外で初の金メダルを獲得した北口榛花(26)=JAL=も、そのうちの一人。戦績はもちろん、どんな時も笑顔を絶やさない姿や豪快な笑い声、天真爛漫(らんまん)な言動はメディアからも大人気だ。 9月に帰国してからは、さまざまなイベントや表彰式などで大忙しの毎日を送っている北口。文部科学省や東京都、各企業や各メディアなどの賞を総なめにしている。さらに、「名言を残せなかった」で「2024・ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされ、トップ10入り。賞だけでなく、天皇皇后両陛下主催の「秋の園遊会」にも出席。北口は、「世の中にこんなにいろんな賞があるんだということを感じています(笑)。結果以外の部分も評価してもらえての受賞で、感謝しています」と、受賞ラッシュについて素直に語った。 年末の取材では、その時に選手が選んだ衣装のコンセプトも話題に上がる。普段、選手を取材するときには、ジャージーなどのスポーツウエアで会うことがほとんど。だからこそ、華やかな衣装に身を包んだ選手の取材は新鮮で、楽しみの一つでもある。12月11日、「タニタ健康大賞」の贈賞式に参加した北口は、ネービーのパンツスーツで、中に胸元がレースになっている黒のインナーを合わせていた。お団子にした髪にも合うスタイリッシュな衣装について、報道陣から「こだわりは」と質問が飛んだ。北口は、「うーん…」と悩んだ末、「皆さんになるべく違う、新しい姿を見せたいなと努力はしているんですけど…。体のサイズ的にも、日本ではすぐに服が買えるわけではなくて。普段着も、こういったとき(授賞式など)に着る服も、何着も持っているわけではなくて。結構困っていますね」と、思わぬ悩みができている様子だった。 ちなみに、今年記者が取材で訪れた表彰式やイベントの会場で、北口が同じ衣装を着ていたことはない。意識して違う服を着ていたことを知り、北口らしい気遣いを改めて感じた。
〝世界女王〟が見つめる次のターゲットは、来年9月に東京・国立競技場で開催される世界選手権。北口にとって、連覇のかかる大一番でもある。2023年ブダペスト世界選手権でチャンピオンとなり、24年パリ五輪でオリンピックチャンピオンとなった北口。それでも「記録的には全然満足はしていない。満足できない理由があることは幸せなこと」と上昇志向は止まらない。来年9月、再び世界の頂点に立ち、どんな言葉を残すのか。そして、来年はどんな賞に輝くのか。年が明けてもいない今から、楽しみで仕方ない。(高橋朝香)