米利下げ幅、50bp予想が25bpより優勢-債券市場で織り込み深まる
(ブルームバーグ): 今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想される利下げの幅について、債券市場では25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)予想を抑えて、50bp予想が勢いを盛り返している。
FOMCの決定が明らかにされる18日に関連付けられたスワップ取引は、50bp利下げの織り込み具合が確率50%を上回った。この可能性はつい1週間前には事実上排除されていた。2年債利回りは一時2年ぶり水準に低下、ドル指数は1月以来の安値に下げる場面もあった。
ここ数営業日で起きた反転で、FOMC決定への関心はさらに高まった。経済に必要な政策支援の程度を巡って投資家の見解は二分され、FOMCが大幅利下げで緩和サイクルをスタートした場合の解釈についても意見が分かれている。
「きわどい判断だ」と語るのはラボバンクの米国担当シニアストラテジスト、フィリップ・マレー氏。標準的な25bpの利下げを予想する同氏は「パウエル議長からガイダンスが出ていないのは、FOMCがまだコンセンサスに達していないシグナルかもしれない。それに17日に発表される小売売上高で計算が狂う可能性もまだ残っている」と述べた。
外国為替市場ではブルームバーグ・ドル指数が一時0.4%下げ、1月12日以来の低水準を付けた。一方、円など他の主要通貨はドルに対して上昇している。
ナショナルオーストラリア銀行(NAB)のストラテジスト、ロドリゴ・カトリル氏は、「間近に迫った米連邦準備制度の新たな緩和サイクルが、ドルにとって大きな逆風になるとみている」と指摘。「ドルは循環的な下落に入るだろう。米当局はフェデラルファンド(FF)金利を引き下げ、来年には中立金利を下回らないまでも、それに近づけるだろう」と述べた。
ドルは過去1カ月、大半の主要通貨に対して軟化。かつては売り込まれた円やスイス・フランなどがドルに対し大きく上昇している。16日の取引では、日米金利差の縮小見通しを背景に円が上げ幅を広げ、注目されていた1ドル=140円の水準を超える場面もあった。