今では当たり前の「蛍光ペン」。日本では50年前に鉛筆メーカーが開発した超画期的文房具でした
紙文化減少の今でも、SNSなどでの新しいニーズも
発売当初の蛍光ペン「暗記ペン蛍光」の色数は黄色、桃色、黄緑、橙の4色でしたが、後にさまざまな色、タイプが登場。現在のトンボ鉛筆の蛍光ペンは「マーキングペン」のカテゴリーに含まれるようになりました。「蛍コート」というブランドの商品になり、現在に至ります。 50年にわたっての浸透と合わせて進化を遂げた蛍光ペンですが、近年の「紙文化の減少」の影響はないのでしょうか。 「確かに紙という媒体を利用する文化は段々狭くなっていっていますよね。一方で、SNSなどではアナログ的な文房具を使っての投稿が注目されたりして、新しいご支持をいただくようになったとも感じています。私どもが日本で初めて開発し、浸透させたと自負する蛍光ペンですが、これからも従来とは違うカタチで一人歩きしていってくれることを願っています」(トンボ鉛筆・川﨑さん) 日本における蛍光ペンの50年を辿りましたが、ここまでの変遷や今日の浸透ぶりを考えれば、どれだけ紙文化が狭まったとしても、その存在価値はさらなる未来にも続くようにも思いました。メモの重要部分にサッとひと書きできる蛍光ペン。改めてその存在価値に注目してみてはいかがでしょうか。
<取材・文=松田義人(deco)>