「年上相手で結果を出せた」1番人気レーベンスティール快勝で秋の大舞台へ/エプソムC
<エプソムC>◇9日=東京◇G3◇芝1800メートル◇3歳上◇出走18頭 1番人気レーベンスティール(牡4、田中博)がクリストフ・ルメール騎手(45)に導かれて復活の勝利を飾り、重賞2勝目を挙げた。59キロを克服して前走新潟大賞典11着から見事に巻き返し、秋は再びG1を見据える。 ◇ ◇ ◇ 弱い世代とは言わせない。酷量59キロを背負ったレーベンスティールが、4角7番手から力強く抜け出した。2着に2馬身差をつけて圧倒。G3では力が違った。勝ち時計1分44秒7はレースレコード。重賞150勝目となったルメール騎手は「59キロでも、すごくいいパフォーマンスをしてくれた。前走はあまり伸びなかったが、今日は調教師さんから馬の状態はばっちりと聞いていたので、勝つ自信で乗りました。3~4コーナーの手応えが良く、だんだん伸びて加速してくれた。楽な勝利でした」と会心の笑顔で振り返った。 昨秋のセントライト記念では皐月賞馬ソールオリエンスを負かした。続く12月の香港ヴァーズは本来の状態になく8着に敗れた。その後は背肉が落ちた馬体の回復を図りながらの調整。前走新潟大賞典は調教で攻め切れずに11着と大敗したが、1カ月で覇気も戻りトモのふらつきもなくなった。直前の追い切りは3頭併せの真ん中で鞍上が引っ張り切れない手応え。田中博師は「ただただ、ほっとしました。ここ2走が大惨敗だったので。前回よりは明らかに走れる状態でしたが、本当に走れるかは半信半疑でした。香港の悪い影響を引きずらずにひと安心。強い姿を見せられた」。 クラシック上位馬が不振の4歳世代に、光明が差した。「初めて年上相手で結果を出せた。ここからですね。心身ともに幼いので、これからの成長次第」と師。パドックでのイレ込みなど気性面の課題は残るが、秋の大舞台で飛躍が楽しみになった。【岡山俊明】 ◆レーベンスティール ▽父 リアルスティール▽母 トウカイライフ(トウカイテイオー)▽牡4▽馬主 (有)キャロットファーム▽調教師 田中博康(美浦)▽生産者 広富牧場(北海道日高町)▽戦績 9戦4勝(うち海外1戦0勝)▽総収得賞金 1億2769万6000円▽馬名の由来 生き様(独)。父名、母名より連想。生き様で魅了する馬になるように